第56回明治神宮野球大会で、立命館大学の左腕・有馬伽久(ありま・がく)投手が一気に全国区の存在になりました。
1回戦では大会新記録の10者連続三振、続く準々決勝では今秋ドラフト指名選手3人を擁する明治大学を相手に6回2/3を無失点。まさに「大会の主役」と言っていい活躍ぶりです。
今年も多くのプロ選手を輩出した名門・明治をねじ伏せた21歳左腕は、すでにメディアから「来秋ドラフト1位当確」とまで評される存在に。
この記事では、そんな有馬伽久投手のプロフィール・球歴・大学での成績・投球スタイルをまとめて紹介します。
有馬伽久投手のプロフィール
- 名前:有馬 伽久(ありま・がく)
- 生年月日:2004年7月29日(21歳)
- 出身地:奈良県田原本町周辺(平野パイレーツ〜田原本中)
- 身長/体重:175cm/77kg
- 投打:左投左打
- ポジション:投手
- 所属:立命館大学(関西学生野球連盟)
- 出身校:愛知工業大学名電高校(2021年夏甲子園ベスト8)
最速は150〜151km/h。直球に加え、スライダー・ツーシーム・カットボール・カーブ・チェンジアップなど多彩な変化球を操る左腕です。
ここまでの球歴:名電の速球派から、立命館のエース左腕へ
愛工大名電時代:最速151kmのプロ注目サウスポー
愛知工業大学名電高校では、最速151km/hを計測した速球派左腕として注目を集めました。
3年夏の愛知大会〜甲子園ではチームを41年ぶりのベスト8に導き、当時から「将来のプロ候補」としてスカウトのマークを受けていた存在です。
立命館大進学後:2年春から先発ローテに定着
立命館大進学後は、2年春から先発としてリーグ戦で登板。3年までに関西学生野球でエース格の一本柱に成長しました。
2025年には大学日本代表に選出され、第45回日米大学野球選手権でも侍ジャパンの一員として登板しています。
大学公式インタビューでは、「立命館大初の日本一」と「プロ入り」を2大目標に掲げ、DeNA東克樹投手のように大学でタイトルを総なめにしたいと語っています。
大学通算の主な投手成績
大学硬式野球サイトの集計によると、有馬投手のここまでの大学通算成績(2025年秋終了時点)は以下の通りです。
- 登板:39試合(うち先発29試合)
- 投球回:194回1/3
- 通算防御率:2.27
- 被打率:.217
- 被本塁打:5本
- 奪三振:173個
- 与四球:53個
- 完投:5試合(完封1)
約200イニングで被本塁打わずか5本という数字からもわかるように、一発をほとんど打たれないタイプ。
走者を出してもゴロと三振でピンチを切り抜ける投球が持ち味です。
明治神宮大会で一気に全国区へ
1回戦:10者連続奪三振の大会新記録
2025年11月14日、明治神宮大会大学の部1回戦・東農大北海道オホーツク戦。
6回からマウンドに上がった有馬投手は、4回パーフェクト&10者連続奪三振という離れ業を披露しました。
これは1972年に関大・山口高志氏が記録した「8者連続奪三振」を上回る大会新記録。本人も「自分でもびっくりするくらい腕が振れた」と振り返っています。
準々決勝:ドラフト指名3人を擁する明治から6回2/3無失点
中1日で迎えた16日の準々決勝・明治大戦では、4回途中1死一・三塁のピンチで2番手として登板。犠飛で1点こそ失ったものの、その後は圧巻のピッチングで6回2/3を2安打無失点、6奪三振。延長10回まで投げ続け、7-2での勝利を呼び込みました。
相手の明治大は、
- 日本ハム1位・大川慈英投手
- 西武1位・小島大河捕手
- ロッテ2位・毛利海大内野手
といった今秋ドラフト指名選手3人を擁する“タレント軍団”。その中でも小島捕手を8回にわずか3球で空振り三振に仕留めるなど、「ドラ1キラー」としてスカウト陣の度肝を抜きました。
投球スタイル:魔球ツーシーム+キレのスライダー
有馬投手の最大の武器は、今大会で一気に評価を上げた140km台前半のツーシームです。
直球と見分けがつきづらい軌道から、右打者の内角に食い込んだり、外角に逃げたりと多彩な変化を見せ、バットの芯をことごとく外します。
このツーシームは、社会人野球・トヨタ自動車で数々の日本一に輝いた佐竹功年氏からのアドバイスをきっかけに磨き上げたもの。
もともと得意だったスライダーと合わせ、「横の変化」で打者を翻弄するスタイルへと進化しました。
球速が150km前後と突出しているわけではないものの、
- ストライクゾーンの四隅に投げ分けるコントロール
- 同じ腕の振りから出てくる直球・ツーシーム・スライダー
- 要所ではカットやチェンジアップも織り交ぜる投球術
によって、打者からは「球速以上に速く見える」「想像以上に化け物」と評されています。
おまけ:投球フォームの可視化をしてみた
あくまでも参考です。特に末端点の推定にはエラーや限界があるのを踏まえてお楽しみいただければ。
参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=KwPcZRSHUYE&pp=ygUM5pyJ6aas44GM44GP
まとめ:立命館大のエース左腕・有馬伽久は来年ドラフト必見の存在
改めて、有馬伽久投手のポイントを整理すると――
- 愛工大名電出身、最速150km超のサウスポー
- 立命館大では通算防御率2点台前半、被打率.217と安定感抜群
- 明治神宮大会で10者連続奪三振の大会新記録&明治打線を6回2/3無失点
- ツーシームとスライダーを軸に「打たせて取る+三振も奪える」完成度の高い投球
- スカウトからは「来秋ドラフト1位当確」の声も
今年、多くのプロ野球選手を送り出した明治大学を倒した左腕が、来年はどの球団のユニホームを着るのか―。
2026年ドラフトの主役候補として、有馬伽久という名前はぜひ覚えておきたいところです。



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