メイソン・ミラー、やっぱりちょっとおかしいです。
速い投手は昔からいました。ただ、100マイルを当たり前のように投げながら、空振りも三振もまとめて量産するタイプはそう多くありません。しかも2026年4月6日時点で、ミラーはパドレスで開幕から4登板4セーブ、防御率0.00、4.1回で11奪三振、WHIP 0.46。直近3登板は4月1日ジャイアンツ戦で1.1回3K、4月4日と5日のレッドソックス戦で2日連続1回3Kセーブと、かなり派手な入り方をしています。[1][2]
結論から言うと、今のミラーは「球速だけならチャップマン級にかなり近い。しかも右腕なのがさらに異常」という見方でだいたい合っています。もっと言えば、瞬間最大風速ではまだチャップマンが上、でも“今この時代の支配力”ではミラーは最強候補です。2024年以降、ミラーは常時100マイル前後のフォーシームに加えて、えげつない変化球で空振りを奪い続けており、FanGraphsでも2024年以降のメジャーで最も支配的な救援投手の一人として扱われています。[3][4]
最近のメイソン・ミラーはどれくらいやばいのか
まず直近の数字から見ても、かなり壊れています。MLB公式の2026年セーブランキングでは、ミラーは開幕4試合で4セーブ、防御率0.00、4.1回で被安打1、無四球、11奪三振。要するに、ほぼ何も起きていないのに三振だけは大量に出ている状態です。[2]
しかも内容もいい。MLB公式の選手ページでは、4月1日、4日、5日の直近3登板がすべてセーブで、合計3.1回を投げて1被安打、無失点、9奪三振。4月5日は11球で三者連続三振でした。FanGraphsでも2026年序盤のミラーはK% 66.7%と表示されていて、まだ4試合とはいえ、打者の3人に2人を三振で片づけている計算になります。[1][5]
「まだ4試合だし」と言いたくなるのも分かります。ただ、ミラーの場合は2024年、2025年の実績があるから、単なる上振れで片づけにくいんですよね。Baseball-Referenceでは、2024年に55試合65.0回で防御率2.49、28セーブ、104奪三振。2025年はアスレチックスとパドレスの2球団合計で60試合61.2回、防御率2.63、22セーブ、104奪三振でした。特に2025年のパドレス移籍後は22登板で23.1回、防御率0.77、10セーブ、45奪三振と、むしろ後半のほうがさらに凶悪でした。[5][6]
つまり今のミラーは、「たまたま開幕で無双してます」というより、すでに2年近く“打てないリリーフ”を続けている投手が、そのまま今年も暴れていると見るほうが自然です。[5][6]
最大の武器は、やはり100マイル超えのフォーシーム
ミラーが目立ついちばんの理由は、やはり球速です。MLB公式は2024年4月の時点で、ミラーのフォーシーム平均球速を100.2mphとして紹介していました。さらにBaseball Savantでも、ミラーのフォーシームは平均100マイル超級の球として確認できます。100マイルを超える投手は珍しくなくなったとはいえ、平均で100マイル台を投げるクローザーはやはり別格です。[3][7]
しかも速いだけではありません。FanGraphsの2026年ブルペン分析では、ミラーは2024年以降のリリーフ転向後、メジャーで最高水準の奪三振ペースを維持しており、平均100マイル超のフォーシームがその中心にあるとされています。MLB公式も2024年の時点で、速球に加えて高速スライダーのえげつなさを強調していました。[3][4]
しかもミラーは「速いだけの人」ではない
ここが大きいです。速球派のリリーフは毎年出てきますが、その中には「確かに速いけど、打者が慣れると案外打てる」タイプもいます。ミラーはそこが違う。MLB公式は2024年序盤の時点で、ミラーのWhiff%を47.6%と紹介しており、100.2mphのフォーシームと、87.3mphの高速スライダーの組み合わせがすでに支配的だと書いていました。さらに2025年には、ポストシーズンで104.5mphの速球を投げ込み、記録上のポストシーズン最速球を更新しています。[3][8]
加えて最近は球種の幅も少し広がっています。FanGraphsの2026年4月5日付の記事では、ミラーがレッドソックス戦でチェンジアップを交えて吉田正尚を三振に取ったことが紹介されていました。もともと速球とスライダーだけでも十分に危険なのに、そこへ別の見せ球まで入り始めると、打者側はさらに苦しくなります。[9]
では、チャップマンと比べるとどうなのか
比較対象として最も分かりやすいのは、もちろんアロルディス・チャップマンです。MLB公式によれば、チャップマンは2010年9月24日に105.8mphを記録しており、これは今もなおピッチトラッキング時代で最速の1球です。さらにMLB公式の最速球に関する記事でも、上位はほぼチャップマンが占めています。単純な“史上最速”という一点では、まだチャップマンが王者です。[10]
実績面でもチャップマンはやはり重い。FanGraphsでは、2014年に54.0回で防御率2.00、36セーブ、17.67 K/9、2015年に66.1回で防御率1.63、33セーブ、15.78 K/9、2016年はヤンキースとカブスの合計58.0回で防御率1.55、36セーブ、13.97 K/9と、全盛期は完全にバグった数字を残しています。[11]
なので、キャリア総体でミラーがもうチャップマンを超えた、とはまだ言えません。 チャップマンは長年トップ級で投げ続け、しかも105.8mphという「伝説の数字」まで持っています。この一点はかなり強いです。[10][11]
ただし、「今のミラー」はチャップマンと別の意味で怖い
それでも、今のミラーにはチャップマン全盛期と張り合える要素があります。まず、右腕でこれだけの球速を出していること。チャップマンの異常さは左腕で100マイル台後半を出していた点にもありましたが、ミラーは右腕で平均100マイル超を出しながら、2024年に104奪三振、2025年も104奪三振を積み上げています。MLB公式は2025年の振り返りで、100mph以上の球で奪った三振数について、単年ではチャップマンしかミラーを上回っていないと紹介していました。[3][6]
もう一つは、ミラーのほうが現代的に“2球種でどちらもフィニッシュになる”ことです。チャップマンは圧倒的なフォーシームが主役で、スライダーが補助線としてついてくる形でした。一方ミラーは、100mph超のフォーシームに加えて、高速スライダーや見せ球でも空振りを奪える。球速の一点突破だけでなく、打者の予測をズラす余地が大きいぶん、今の打者に対してはかなり厄介です。[3][9]
実際、FanGraphsの2026年ブルペン評価では、ミラーは2024年以降「おそらく野球界で最も支配的な救援投手」と表現されています。2025年のパドレス移籍後に異常な奪三振率を記録したことからも、現時点の救援投手で頭ひとつ抜けた存在として扱われています。[4][5]
じゃあ、ミラーはチャップマン級なのか
ここは分けて考えたほうがいいです。
「1球の速さ」では、まだチャップマンが上です。
105.8mphという記録はまだ残っていて、史上最速の肩書きもチャップマンのものです。[10]
「最近の支配力」では、ミラーは完全にチャップマン級、あるいはそれ以上の区間に入っています。
2024年に65回で104奪三振、2025年も61.2回で104奪三振、2026年は開幕4.1回で11奪三振。ここまで来ると、単なる速球派ではなく、打者側が“打てる形”をほぼ作れないリリーフです。[5][6]
「キャリア実績」では、まだ当然チャップマンです。
チャップマンは長年クローザーを務め、複数年にわたって圧倒的な数字を残し続けました。ミラーは今のところ、2024年以降の支配力は本物に見えるものの、まだその期間は短い。ここは素直にそう言うしかありません。[10][11]
結論。いま一番「映像で見たほうが早い」クローザーかもしれない
結論です。
メイソン・ミラーは、現時点でMLB最速最強クラスのリリーフ投手と言っていいです。2026年開幕直後の数字はもちろん、2024年と2025年の奪三振ペースを見ても、これは一時の確変ではありません。[5][6]
チャップマンとの比較で言えば、史上最速の象徴はまだチャップマンです。105.8mphは簡単には抜けません。ただ、いま現在の支配力と見応えでは、ミラーはその系譜のど真ん中にいます。しかも右腕でこれをやっているぶん、見た目のインパクトはかなり異常です。[10][11]
要するに、メイソン・ミラーは「速い投手」ではなく、チャップマン以後のMLBがたどり着いた、次の怪物クローザー候補です。最近の成績を見る限り、少なくとも今はその評価に十分値します。[4][5]
参考文献・出典
- MLB.com メイソン・ミラー選手ページ
- MLB.com 2026年セーブランキング
- MLB.com 2024年序盤のStatcast注目選手
- FanGraphs 2026 Bullpen Power Rankings
- FanGraphs Mason Miller
- Baseball-Reference Mason Miller
- Baseball Savant メイソン・ミラー
- MLB.com メイソン・ミラーがポストシーズン最速球を記録
- FanGraphs ミラーのチェンジアップに関する記事
- MLB.com アロルディス・チャップマンと剛速球時代
- FanGraphs Aroldis Chapman


