投手のマダックスとは何の指標なのか?最近達成した主な投手もわかりやすく整理

その他ネタ

野球ニュースやSNSでときどき見かける「マダックス」という言葉。名前だけ聞くと特別な公式記録のようにも見えますが、実際には100球未満で9回以上を投げ切って完封した先発投手を指す通称です。MLB公式の用語集では、complete-game shutout on fewer than 100 pitchesと定義されており、殿堂入り右腕グレッグ・マダックスの名前に由来すると説明されています。出典:MLB公式 Glossary「Maddux」

マダックスとは何の指標なのか

まず押さえておきたいのは、マダックスは防御率やWHIPのようなNPBやMLBの公式記録名ではないという点です。MLB公式はあくまで野球用語として紹介しており、条件は「完投」「完封」「100球未満」の3つ。つまり、球数を抑えながら相手をゼロに封じた効率の良い完封をわかりやすく表す“呼び名”だと考えると理解しやすいです。出典:MLB公式

名前の由来になったグレッグ・マダックスは、球威だけで押し切るタイプというより、制球力と投球術で打たせて取る名手として知られました。こうした背景があるので、マダックスという言葉には単なる完封以上に、「無駄球の少なさ」「テンポの良さ」「打たせて取る巧さ」まで含めて評価するニュアンスがあります。出典:MLB公式

なぜすごいのか

完封勝利そのものが珍しいのに、さらに100球未満で終えるには、四球を出しすぎないこと、カウントを悪くしないこと、三振だけに頼らず早いカウントで打たせて取ることが必要になります。要するにマダックスは、力でねじ伏せるだけでなく、試合全体を効率よく支配できた投手に付きやすい呼び名です。

たとえば2024年7月5日の広島戦で中日の髙橋宏斗は、7回終了時点で74球。NPB公式コラムでは、本人が8回、9回にマダックスを意識して投げたことが紹介され、最終的に99球で完封しています。終盤まで球数を抑えられていたからこそ成立した、典型的なマダックスでした。出典:NPB公式コラム「『意識して』“マダックス”を達成した中日・髙橋宏斗」

最近マダックスを達成した主な投手

最近の達成例としては、NPBでは2024年から2025年にかけて複数の印象的なマダックスが出ています。ここでは、話題性や実績の大きさの面から主な投手を整理します。

古林睿煬(日本ハム)

2025年5月11日の楽天戦で、98球、2安打、7奪三振、無四死球で完封。パ・リーグ.comはこの試合を「NPB初完封&マダックス達成」と報じ、NPB公式コラムでも来日初完封でマダックスを達成したと紹介しています。来日3度目の先発での快投だった点もインパクトが大きいです。出典:パ・リーグ.com出典:NPB公式コラム

渡邉勇太朗(西武)

2025年9月6日のロッテ戦では、97球、2安打、無四死球でプロ初完投・初完封を達成。パ・リーグ.comは、この勝利を「マダックスでの達成」と明記しています。初完投初完封がそのままマダックスだった、というわかりやすい好例です。出典:パ・リーグ.com

村上頌樹(阪神)

2025年5月10日の中日戦で、98球、7安打無失点の完封。DAZNの試合結果記事やデイリースポーツでは、村上がマダックスを達成したと報じられています。しかもデイリーによると、この試合は2試合連続完封でもあり、内容とインパクトの両面で大きな達成でした。出典:DAZN出典:デイリースポーツ

伊藤大海(日本ハム)

2024年7月28日の西武戦で、94球で完封してシーズン2度目のマダックスを達成。パ・リーグ.comと日刊スポーツは、ともに今季2度目の達成だったことを伝えており、日刊スポーツは球団では58年ぶりの快挙とも報じています。1シーズンで複数回達成するのは、やはり簡単ではありません。出典:パ・リーグ.com出典:日刊スポーツ

髙橋宏斗(中日)

2024年7月5日の広島戦で、99球で完封。NPB公式コラムでは、中日の投手によるマダックスは2016年以来だったと紹介されています。終盤に本人が記録を意識しながら投げ切った、物語性のある達成として印象に残りました。出典:NPB公式コラム

ヤフーレ(ヤクルト)

2024年4月29日の巨人戦で、94球、3安打無失点の来日初完封。日刊スポーツは、これが球団の外国人投手では史上初のマダックスだったと報じています。スポニチでも、来日初完投初完封をマダックスで飾ったと紹介されました。出典:日刊スポーツ出典:スポニチ

石田裕太郎(DeNA)

2024年6月16日の西武戦で、95球、4安打完封。Full-Countは、ドラフト5位ルーキーの石田がプロ2登板目でマダックスを達成したと報じています。公式記録データベースではありませんが、近年の話題例としては外せない快挙です。出典:Full-Count

マダックスはどこまで“指標”として使えるのか

ここで少し注意したいのは、マダックスは便利な言葉ではあるものの、シーズン全体の実力を測る万能指標ではないということです。1試合で達成できても、年間通算の安定感や奪三振率、与四球率まで一気に示せるわけではありません。どちらかといえば、その日の投球がどれだけ効率的で支配的だったかを印象づける記録、と考えるのが自然です。

それでも話題になるのは、100球未満で9回を投げ切る難しさがあるからです。球数、被安打、四球、守備との連動、試合展開、その全部がかみ合わないと成立しません。だからこそ、ニュースで「マダックス達成」と出ると、単なる完封以上に「今日はすごい内容だった」と伝わりやすいわけです。

まとめ

マダックスとは、100球未満で9回以上を投げて完封した先発投手を指す通称で、MLB公式の用語集でもそのように説明されています。公式記録名ではありませんが、球数を抑えつつ相手をゼロに封じた、非常に効率の良い完封を示す言葉として定着しています。出典:MLB公式

最近では、2025年の古林睿煬、渡邉勇太朗、村上頌樹、そして2024年の伊藤大海、髙橋宏斗、ヤフーレ、石田裕太郎らが話題になりました。今後も完封勝利のニュースに「マダックス」という言葉が添えられていたら、“ただ抑えただけでなく、球数まで少ない特別な完封だった”と見るとわかりやすいです。


参考リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました