オリックスの椋木蓮投手について、「2026シーズンからTJ復帰」という見方が広がっています。厳密に言えば、椋木が右肘のトミー・ジョン手術を受けたのは2022年9月で、その後は育成契約を経て支配下へ復帰。2025年には一軍でも登板しており、2026年は“手術明けの復帰元年”というより、復帰後に本格戦力化できるかを問われるシーズンと見るのが自然です。出典:スポニチ(2022年のTJ手術経緯)/出典:NPB個人成績
では、けが人が多い2026年春のオリックスで、椋木の活躍はどこまで見込めるのでしょうか。結論から言えば、十分にチャンスはある一方で、先発の柱として即フル回転を期待するより、中継ぎ中心で戦力化を見込む方が現実的です。現時点の報道と成績をもとに整理します。
まず整理したい。椋木は「2026年に初めて復帰」ではない
椋木は2022年に右肘内側側副靱帯再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を受け、その後は育成契約に切り替わりました。スポニチは当時、2022年9月末に手術を受けたと報道しています。出典:スポニチ
その後、2024年に支配下復帰を果たし、NPBの個人成績ページでも2024年に10試合、2025年に12試合へ登板していることが確認できます。つまり2026年は「復帰する年」というより、復帰を経て、どの役割で定着できるかを見る年です。出典:NPB個人成績
2025年は数字だけだと苦しかったが、終盤には光もあった
2025年シーズンの一軍成績を見ると、椋木は12試合で24回2/3、防御率6.93。数字だけを見ると、まだ完全に戦力として固まったとは言いにくい内容です。被安打36、失点22という数字からも、先発・中継ぎを通して安定感に課題が残っていたことがうかがえます。出典:NPB 2025年度オリックス個人投手成績
ただし、これだけで2026年を悲観するのは早いかもしれません。スポニチは2025年終盤、椋木が自ら中継ぎ転向を志願し、9月15日の再昇格後6登板を無失点、しかも全試合で奪三振を記録したと報じています。シーズン通算の防御率は悪くても、終盤に役割を絞ったことで内容が上向いたのは見逃せません。出典:スポニチ
さらにパ・リーグ.com経由の報道では、2025年オフの契約更改時点で、椋木は15試合で1勝1敗4ホールド3セーブ、防御率1.00というプエルトリコのウインターリーグ成績を残していたと紹介されています。リーグの違いはあるものの、オフまで含めて投球内容が前向きだったのは材料です。出典:パ・リーグ.com
2026年春の状態はかなり良い
2026年春の報道を見ると、椋木の状態はかなり悪くありません。スポニチは2月23日のライブBPで、椋木が打者4人に20球を投げ、最速149キロを計測したと伝えています。本人も真っすぐやチェンジアップに手応えを語っており、調整の遅れがあった中でも仕上がりは順調とみられています。出典:スポニチ
さらにスポーツナビの成績ページでは、3月22日時点の2026年オープン戦で椋木は4試合4イニング無失点、9奪三振、無四球となっています。サンプルはまだ小さいですが、被打率.143、WHIP0.50という数字はかなり良好です。出典:スポーツナビ(2026年3月22日時点)
なぜ2026年のオリックスでチャンスがあるのか
一番大きいのは、投手陣に故障・離脱の不安があることです。たとえば山下舜平大は3月20日に右肘のコンディション不良で登板回避となり、岸田監督も「めちゃくちゃ早くはないと思います」と説明しています。開幕前のローテ構想に影響するニュースでした。出典:スポニチ
宇田川優希も2025年3月にトミー・ジョン手術を受けており、2026年3月上旬の時点でまだ実戦復帰を目指す段階でした。スポニチは、3月中の実戦登板を目標にしていると報じています。つまり、オリックスのブルペンは実績組が万全にそろっているとは言えません。出典:スポニチ
この状況では、春先からしっかりストライクを取り、1イニングを任せられる投手には大きな出番があります。椋木にとっては、まさにそこが入り口になりそうです。
活躍が見込めるなら、先発より中継ぎか
現時点で最も現実的なのは、先発ローテの軸ではなく、中継ぎでの戦力化です。理由は3つあります。
1. 2025年終盤に中継ぎ転向後の内容が良かった
先ほど触れたように、スポニチは椋木が2025年夏場に自ら中継ぎ転向を志願し、再昇格後6登板無失点だったと報じています。長いイニングを組み立てるより、短いイニングで球威を前面に出す方が、今の椋木には合っている可能性があります。出典:スポニチ
2. 2026年オープン戦の数字がリリーフ向きの内容
4イニングで9奪三振、無四球というのは、短いイニングで一気に押す投球内容としてかなり魅力的です。もちろんオープン戦なので過大評価は禁物ですが、ボールの勢いと制球の両方がかみ合っているという意味では、中継ぎ適性を感じさせる数字です。出典:スポーツナビ(2026年3月22日時点)
3. チーム事情とも合う
山下の状態不透明、宇田川の復帰途上という状況では、首脳陣としてもまずは計算しやすい1イニング要員を増やしたいはずです。椋木がそこに入れれば、一軍定着の現実味は一気に増します。これは報道をもとにした推測ですが、現状のチーム事情と椋木の直近内容を考えると、かなり自然な見方です。出典:スポニチ/出典:スポニチ
逆に不安材料は何か
一方で、不安材料もあります。最大の懸念は、まだ一軍で通年安定した実績がないことです。2024年は10試合で防御率5.54、2025年は12試合で防御率6.93。復帰後の一軍成績だけを見れば、期待先行であることも確かです。出典:NPB個人成績
また、TJ手術後の投手は球速が戻っても、登板間隔や連投耐性、シーズンを通した再現性が別問題になりがちです。椋木も「投げられる」ことと「勝ちパターンで年間通して計算できる」ことの間には、まだ越えるべき段差があります。この部分は現時点のデータからの評価であり、今後の登板数が増えるほど見え方は変わるはずです。
結論。活躍は見込めるが、“一気にエース級”を期待する段階ではない
結論として、2026年の椋木蓮は活躍を見込める立場にあると言っていいです。チームに離脱者が出ていること、2025年終盤に中継ぎで手応えをつかんだこと、2026年春のオープン戦内容が良いこと。この3つがそろっているからです。出典:スポニチ/出典:スポーツナビ
ただし、期待値の置き方は大事です。今すぐ先発ローテを背負う柱、あるいは絶対的な守護神候補とまでは言いにくい。現実的には、ブルペンの1枠をつかみ、勝ちパターンや回またぎも視野に入る存在になれるかが最初の焦点でしょう。そこをクリアできれば、けが人の多いオリックス投手陣の中で、椋木が一気に存在感を高める可能性は十分あります。
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