ABLってどんなリーグ?
オーストラリアン・ベースボールリーグ(Australian Baseball League / ABL)は、オーストラリアで行われているプロ野球リーグです。リーグはベースボール・オーストラリア(Baseball Australia)が運営しており、北米・日本・韓国・台湾などから選手が集まる「冬の国際リーグ」という位置づけです。これはリーグがMLBやNPB、KBO、CPBL所属の選手も受け入れると公式に説明していることからもわかります。
シーズン期間はだいたい11月〜1月ごろ。日本のプロ野球(NPB)やメジャーリーグ(MLB)がオフの時期に開催されるため、日本の野球ファンにとっては「冬の観戦コンテンツ」として楽しめる存在です。2024-25シーズンは2024年11月15日に開幕し、1月に優勝チームが決まりました。
試合数はMLBやNPBほど長くありません。各チームは40試合前後という短期決戦スタイルで、例えば2023-24シーズンはリーグ全体で128試合、1球団あたり約42試合というペースでした
ポストシーズン(プレーオフ)もあり、優勝決定シリーズは3戦2勝方式の短期シリーズで王者が決まります。2024-25シーズンはキャンベラ・キャバルリーが2勝0敗で優勝を決めました。
実力感としては、「NPBの2軍〜独立リーグ〜AAAクラスくらいのタレントが同じグラウンドで戦う」ようなイメージです。NPBやKBOの若手有望株や、独立リーグのスター、メジャー傘下の若手プロスペクトが「冬の実戦」「売り込みの場」として参加します。
まとめると:日本オフの時期に観られる『若手の真剣勝負×助っ人候補の見本市』。これがABLの一番の魅力です。
日本からABLはどうやって観る?(視聴方法)
ここは一番よく聞かれるところなので、結論から順に並べます。
1. DAZN(日本・台湾向け)
ABLは日本・台湾向けにDAZNと配信契約を結んだと公式に発表されています。つまり、日本国内のDAZNでABLの試合(ライブ配信・見逃し配信)が視聴できる体制になっています。これは「NPB・MLBオフ期間のコンテンツ」としてDAZN側が扱っている流れです。
すでにDAZNに加入している人は、アプリ内で「ABL」やチーム名を検索するだけでOKという形が想定されています。
ポイント:
普段からNPB・MLB目当てでDAZNに入っている人にとって、追加で別サービスに入らずABLまで観られるのがいちばんラクなルートです。
2. Baseball+(Baseball Plus)
Baseball+はベースボール・オーストラリア公式の配信プラットフォーム(スマホアプリ/Webブラウザ両対応)です。ABLの試合は「ABL Access Pass」というサブスクリプションでライブ視聴・アーカイブ視聴できます。
・スマホアプリ(iOS / Android)から視聴可能
・ChromecastやAirPlayなどでTVにキャストする視聴スタイルも案内されています
・Webブラウザでも plus.baseball.com.au から視聴できると案内されています
・地域によってABL配信は有料扱いですが、アプリ自体は無料ダウンロード可能です[出典]
ポイント:
「確実に全カードを観たい」「アーカイブを押さえたい」ならBaseball+が公式ルートです。日本からの視聴も案内されています。
3. AABaseball.tv(Game of the Week)
アメリカ独立リーグ「American Association」が運営する AABaseball.tv では、ABLの「Game of the Week(週イチ注目カード)」を配信しています。例えばパース・ヒート vs キャンベラ・キャバルリーなど、注目試合のフルゲームがアーカイブとして残っています。
全試合ではなく「看板カード」だけですが、無料または比較的ライトな課金で英語実況を楽しみたい人に向いています。
4. 球団ローカル配信・アーカイブ
一部球団(例:Perth Heatなど)は独自の配信プラットフォーム(Streamerなど)でホームゲームのライブやフルアーカイブを公開しています。過去試合が丸ごと観られることもあります。
これはあくまで球団単位なので「リーグ全試合が揃う」わけではありませんが、贔屓チームが決まったらそこを追う楽しみ方としては最高のルートです。
視聴まとめ(日本から観るならこの順)
- まずDAZNをチェック
→ 既存サブスクで観られるなら一番ラク。 - なければBaseball+
→ ABL公式「ABL Access Pass」でライブ&アーカイブ。 - 気になるカードだけ見たいならAABaseball.tv
→ “Game of the Week”で注目試合を英語実況付きで楽しむ。
スコア・順位・スタッツはどこでチェックすればいい?
1. 公式スタッツ(theabl.com.au)
ABL公式サイト(theabl.com.au)には「Stats」セクションがあり、リーグ内の打撃リーダー/投手リーダーをまとめて確認できます。打率、ホームラン、本塁打数、打点、防御率など主要ステータスのランキングが並ぶので、「いま誰が主役なのか?」がひと目でわかります。
また「Records」ページでは、2010年の現行ABLスタート以降のシーズン記録・通算記録も公開されています。つまり「これは歴代級の数字なの? それともよくあるレベル?」がすぐ判断できます。
2. ライブスコアサイト(Flashscore / Sofascore)
Flashscore や Sofascore のようなライブスコア系サービスはABLもカバーしており、イニングごとの経過、先発投手、試合状況(例:8回表で2-1と接戦中!)などをリアルタイムで追えます。順位表やプレーオフ進出ラインもそこで把握できます。
ポイント:
移動中でもサクッと経過を追えるので、「このカードおもしろそうだからあとでアーカイブ観よう」と判断する“カタログビュー”として便利です。
ABLのスタッツはこう読む(短期リーグならではのコツ)
ABLはシーズンが短い=サンプルが小さいリーグです。1球団40試合ちょっと、レギュラー級の打者でもフルで出て40~45試合程度という世界なので、NPBの「143試合」、MLBの「162試合」とは別物です。
この短さゆえに、数字が極端に跳ねやすいのが特徴です。ここでは、特に注目しておきたい指標と、読む時の注意点を整理します。
打者編(バッターの成績)
- AVG(Batting Average/打率)
ヒットの打ちやすさを示す基本指標。ABLだと短期での固め打ちがそのまま最終成績になることも多く、打率.400超えの打者がふつうに出ます。NPBやMLB感覚で「いや4割てw」と思って大丈夫。逆に言うと、打率だけで“本当にヤバい打者”か判断するのは危険です。 - HR(Home Runs/本塁打)
球場が比較的コンパクトなところもあり、長打が出やすいカードではホームラン数が一気に伸びます。つまり本塁打数は「その選手がパワーヒッターか」に加えて「どの球場でどれだけ打ったか」にも左右されます。 - RBI(Runs Batted In/打点)
クリーンアップ(3〜5番)に座る助っ人や大砲タイプが稼ぎがちな数字。チーム事情(前の打者がどれだけ出塁するか)にも強く依存します。 - OPS(On-base Plus Slugging/出塁率+長打率)
「どれくらい塁に出るか」と「どれくらい強い打球を打つか」をまとめた指標。短期リーグではOPSが高い打者=本当に怖い打者であるケースが多いです。つまりABLでは“打率よりOPS”を見る癖をつけると、地味に最強な選手を見つけやすいです。 - SB(Stolen Bases/盗塁)
走塁アピール枠。俊足タイプやNPB/KBOの若手候補が「走れる」ことを見せる舞台にもなっているので、盗塁はスカウト的にも目立ちます。
チェックのコツ:
規定打席に到達しているかどうかを確認しましょう。途中参加の助っ人が20試合だけ出て打率.420&OPS1.200みたいな“マンガ数字”を残すのは日常茶飯事なので、規定未満の爆上がり成績にはちょっと注意が必要です。
投手編(ピッチャーの成績)
- ERA(Earned Run Average/防御率)
もちろん基本指標ですが、ABLのような短期リーグだと守備力のムラや球場差で一気に上下します。1回炎上するともう修正不能、ということもあるので「ERAが高い=即戦力ではない」とは限りません。 - WHIP((Walks + Hits) / Innings Pitched)
1イニングあたり何人ランナーを出しているか。短いサンプルでは、WHIPのほうが「安定して抑えられてる投手かどうか」を判断しやすいことが多いです。 - K/9(Strikeouts per 9 innings/9イニングあたり奪三振)
どれくらい自力で三振を奪っているか。K/9が高い投手=球威や変化球で空振りを取れる投手=NPBやMiLBでも面白い素材、となってスカウトから注目されやすいポイントです。 - SV / HLD(セーブ / ホールド)
リリーバーの役割確認用。セーブを積み上げているクローザー候補は、独立リーグやアジア球界が「すぐ使える即戦力リリーフ」として目をつけがちです。
チェックのコツ:
先発でもシーズン通して投げて20〜30イニングくらいで終わることがあります。つまり1試合の炎上でERAが壊れることもあるし、逆に中継ぎでも150km級の豪腕が5〜10イニングだけ無双して「この投手だれ!?」状態になることもある。ABLの投手を見るときは、防御率だけでなくWHIP・K/9も必ずセットで見るのがおすすめです。
順位や優勝はどう決まる?
レギュラーシーズンは勝率で順位が決まり、上位チームがポストシーズン(プレーオフ)に進みます。
優勝決定戦(チャンピオンシップ・シリーズ)は3戦2勝制という超短期決戦方式。だから、「後半に勢いに乗ったチームが一気に優勝」みたいな漫画展開が本当に起きるのがABLの面白さです。2024-25シーズンはキャンベラ・キャバルリーがパース・ヒートを2連勝で下してチャンピオンになりました。
ABL観戦のおすすめルーティン
- 今どこが試合してる?
スマホでFlashscoreやSofascoreを開いて、今日の対戦カード・途中経過・スコア推移をチェック。8回表で1点差なら「これライブで観たい!」ってなるはず。 - 実際に観る
まずはDAZNで「ABL」を検索(日本・台湾向けに権利が渡っていると発表済み)。見つからなければBaseball+のアプリ/Webから該当カードをライブ視聴 or 見逃し視聴。 - 試合後にスタッツを深掘り
theabl.com.auの「Stats」ページを開き、今日打ったあの選手・抑えたあの投手がリーグ全体でもトップクラスなのかを確認します。規定打席/WHIP/K/9あたりを見て「本当にヤバい選手」を掘るのがコツ。 - 贔屓チームを決める
好きなチームができたら、その球団のローカル配信(例:Perth Heatのアーカイブなど)やハイライトを追いかける。AABaseball.tvの「Game of the Week」は英語実況で背景情報も拾えるので、推し選手の物語がどんどん分かってくるはず。
この記事のまとめ
- ABLはオーストラリアのプロ野球リーグで、シーズンは11月〜1月の“南半球の夏”。日本のオフシーズンに観られる国際ウインターリーグ。2024-25は11月15日開幕〜1月に決着、優勝はキャンベラ・キャバルリー。
- 日本からの視聴は基本的に「DAZN」→「Baseball+(公式アプリ&WebのABL Access Pass)」→「AABaseball.tvのGame of the Week」の順でチェック。
- スタッツは公式サイト(theabl.com.auのStats/Records)とライブスコアサイト(Flashscore/Sofascore)で追える。
- 短期リーグなので成績がエグい数字になりやすい。打者はOPS、投手はWHIPとK/9も見て「本当に強い選手」を探すのがおすすめ。
- プレーオフも短期決戦(3戦2勝制)。勢いがそのまま優勝につながるドラマ性が高い。
つまりABLは、「冬の間もプロ野球をちゃんと楽しみたい人」「次の助っ人候補・若手有望株を先取りしたい人」には最高のリーグです。明日からライブ&アーカイブで追っていきましょう。🔥



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