「龍之子」徐若熙――ソフトバンク&MLBが熱視線の理由と、同格のCPBL投手たち

野球

味全ドラゴンズの右腕・徐若熙(シュー・ルオシー/2000年生まれ)。高卒入団後に圧倒的な奪三振力で注目を集め、トミー・ジョン手術を経てさらなる完成度を示している。今オフは日本(NPB)とMLBの双方が熱視線を送る“市場の主役”候補だ。本稿ではこれまでの歩み、投球の特徴、移籍市場での評価軸に加え、同レンジの台湾プロ野球(CPBL)投手も併せて解説する。


1)これまでの歩みと投球の特徴

徐若熙は2019年ドラフトで味全に入団。2021年の一軍デビュー直後から三振の山を築き、“最初の11アウトがすべて三振”という強烈なエピソードで一躍スターへ。2022年に右肘の手術で離脱を経験したが、復帰後は球威と制球を両立させた投球で支配力を回復している。

武器はホップ成分の強い速球(最速150キロ台後半)で、真っすぐで空振りを奪えるのが最大の特徴。スライダー、カーブ、チェンジアップ(もしくはスプリット系)を織り交ぜ、K/BBが優秀な“効率よく打者をねじ伏せる”タイプだ。術後の登板管理によりイニングは無理に伸ばさず、5~6回を高品質でまとめる運用がハマりやすい。

直近のシーズンでも防御率やWHIPがエリート帯に乗る試合が多く、短いイニングで試合を掌握する能力が際立つ。健康な期間の「奪三振率の高さ × 与四球の少なさ」はリーグ屈指と言ってよい。

2)なぜ今、争奪戦なのか:ポスティングと「SB&MLB」の噂

今オフ、徐は海外移籍(ポスティング)に踏み切ったと伝えられ、NPB/MLB双方のスカウトが継続的に視察。NPBでは複数球団が有力視され、ソフトバンクの名も関心先として挙がる。MLBも先発の層を厚くしたい球団を中心に注目しており、交渉解禁から早期決着の可能性も取り沙汰されている。

注意:契約年数・総額など具体的な条件は現時点で流動的で、SNS発の数字は裏取りが必要。一次情報が公表され次第アップデートしたい。

3)スカウティング視点:NPB/MLBでの適性

  • 即戦力度:球速帯、空振り率、K/BBはNPB一線級に適合。先発で5~6回を高効率に投げる設計なら、1年目から勝ち星に直結しやすい。
  • リスク管理:術後歴ゆえのイニング制限は前提。球威頼みではなくゾーン内のコマンドで勝負できる点は、勤続性の観点でプラス。
  • フィット先:投手運用が組織化され、球数・休養のマネジメントに長けた球団。先発の“枚数”強化を急ぐ球団(例:ソフトバンク)とは特に親和性が高い。

4)“同じくらいのスタッツ”のCPBL投手は?

2025年のリーグ全体で、支配的なERA~WHIP高い奪三振数先発イニング100~170回帯といった評価軸で“徐と同レンジ”に入る投手をピックアップする。

  • ペドロ・フェルナンデス(楽天モンキーズ)
    先発イニングをしっかり刻みつつ、低ERAと高Kでリーグトップ級の支配力。テンポ良くストライクを集める完成度が魅力。
  • ニバルド・ロドリゲス(中信兄弟)
    ERAリーダー級の失点抑制。ゴロや弱いコンタクトを量産し、安定志向の先発像を体現。
  • エリック・スタウト(TSGホークス)
    左のパワーアームで奪三振が目立つ。K%に優れ、短いスパンで試合を動かす力がある。

“直球で空振りを量産できる右の先発”という希少性では徐が一歩抜け出すが、総合的なrun preventionや耐久度ではフェルナンデス/ロドリゲスが並ぶ評価。スタウトは左腕市場で“即戦力のKマシン”枠として比較対象になる。

5)移籍市場の見どころ(2025-26冬)

  • 争奪戦の軸:NPB複数球団 vs. MLB複数球団。ポスティング日程と交渉ウィンドウの設計次第で早期決着も。
  • 評価ポイント:①直球で空振りを取れるか、②年間120~150回を質高く刻めるか、③術後コンディショニングの再現性。
  • ソフトバンクの関与:先発厚化が急務の編成事情と資金力。ローテの“上積み”を狙う方向性と徐のプロファイルが合致。

まとめ

徐若熙は「5~6回で相手打線をねじ伏せる」型のエース素材。150キロ台後半の速球と優秀なK/BBで、NPB即戦力~MLBスカウト帯でも説得力のある評価を獲得している。比較対象としてはフェルナンデス/ロドリゲス/スタウトの名が挙がるが、真っすぐの空振り能力という一点で見ると希少価値はやはり高い。この冬、行き先はNPBが先か、MLBが先か。市場の主役は彼だ。

注:契約条件や移籍先に関する情報は日々更新されます。一次情報の公表に合わせ、年数・金額・出来高などは適宜アップデートしてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました