「巨神ドベカス」とは何なのか? 「セ界恐慌」「ドベカスリーグ」など、セ・リーグ発の野球ミームを振り返る

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プロ野球のネットミームの中でも、セ・リーグまわりは妙に語感の強い言葉が多いです。なかでも代表格が「巨神ドベカス」。さらに周辺には、「セ界恐慌」「セ界の終わり」「ドベカスリーグ」といった、事情を知らない人には意味不明な言葉がいくつもあります。

結論から言うと、「ドベカス」は2013年のセ・リーグ下位4球団、すなわち中日・DeNA・広島・ヤクルトの頭文字を並べたネットスラングで、そこに上位2球団の巨人・阪神を足して、セ・リーグ全体を雑にひとまとめにした表現が「巨神ドベカス」です。さらに2015年には、セ・リーグ全球団が借金を背負う異常事態が起き、そこから「セ界恐慌」「セ界の終わり」といった言葉が広がりました。


そもそも「ドベカス」とは何か

元になったのは「ドベカス」です。新・なんJ用語集では、2013年のセ・リーグにおける下位4チーム、つまり中日ドラゴンズ・横浜DeNAベイスターズ・広島東洋カープ・東京ヤクルトスワローズをまとめた総称と説明されています。頭文字を並べると「ド・ベ・カ・ス」になり、偶然にも「ドベ(最下位)」や「○○カス」という煽り言葉っぽく読めるため、語感の強さもあって定着しました。

この言葉が生まれた背景には、2013年のセ・リーグがありました。この年は巨人が優勝、阪神が2位で、3位以下に広島、中日、DeNA、ヤクルトが並ぶ構図になりました。実際にNPBの2013年公式成績でも、上位は巨人と阪神、3位以下は広島・中日・DeNA・ヤクルトという並びになっています。つまり、上位2球団とそれ以外4球団の差が見えやすかったことで、「下位4球団をまとめて呼ぶ」言い回しとしてドベカスが広まりやすかったわけです。


「巨神ドベカス」はどういう意味なのか

「巨神ドベカス」は、この「ドベカス」に巨人(巨)阪神(神)を足した言い方です。つまり、セ・リーグ6球団を全部まとめて雑に呼ぶミームだと考えるとわかりやすいです。新・なんJ用語集でも、「架空のキャラクターのような語感の良さから、上位2チームも含めて『巨神ドベカス』と表記される場合もある」と説明されています。

この表現が特に印象に残ったのは、2017年にシーズン最終順位で「広島、阪神、DeNA、巨人、中日、ヤクルト」となり、3位から6位がDeNA・巨人・中日・ヤクルト、つまり「ベ・巨・ド・ヤ」のような別並びを含みつつ、なんJ的な「セ・リーグを巨大な一塊のネタとして扱う」感覚が強まったことも背景にあります。もっとも、「巨神ドベカス」という言葉自体は2013年前後から見られ、2017年に初めて成立したものではありません。2013年時点でも、まとめ記事で「セ・リーグが『巨神ドベカス』でシーズンを終える可能性」といった言い回しが確認できます。

要するに「巨神ドベカス」は、厳密な順位語というより、セ・リーグ全体をなんJ的な雑さで一括処理した表現です。語呂が強すぎるので単独で一人歩きしがちですが、元をたどると「ドベカス」という下位4球団の総称から派生したものです。


「ドベカスリーグ」とは何だったのか

「ドベカスリーグ」は、セ・リーグ全体を自虐的あるいは煽り気味に呼ぶ表現です。下位4球団を意味した「ドベカス」が拡張され、やがてリーグそのものまで雑に巻き込んで使われるようになりました。特に、セ・リーグ全体のレベルや順位争いがぐちゃぐちゃになった時期に、この言葉は使われやすくなります。

この手の言葉が強くなった最大の理由は、2015年の“異常事態”です。2015年7月3日、セ・リーグは全球団が借金持ちというNPB史上初の状態になりました。新・なんJ用語集の「セ界の終わり」では、この日、1位ヤクルトですら37勝38敗1分の借金1、2位阪神も36勝37敗1分の借金1で、6球団すべてが勝率5割未満になったことが整理されています。スポニチも年末の振り返りで、この状況を「セ界恐慌」と表現しています。

リーグ首位が貯金なし、しかも全球団借金。これでは「強いチームが勝ち上がっている」というより、みんなで勝ったり負けたりしながら沈んでいるように見えてしまう。そのため、セ・リーグ全体をまとめてネタ化する「ドベカスリーグ」という感覚が強まったわけです。もちろん正式名称ではありませんが、ネット上ではかなり通じる言い回しになりました。


「セ界恐慌」「セ界の終わり」とは何か

「セ界恐慌」「セ界の終わり」は、ほぼ同じ現象を指すミームです。中心にあるのは、先ほど触れた2015年のセ・リーグ全球団借金です。新・なんJ用語集では「2015年に発生した、セ・リーグ全球団が勝率5割以下となった状態」と定義され、別称として「セ界 NO OWARI」「どんぐりのセ比べ」「セ界恐慌」「ギリシャリーグ」なども挙げられています。

この状態は一度だけの珍事ではなく、2015年7月3日に初発生したあと、翌日に一時解消されたものの、同年7月21日にも再び起きたと整理されています。つまり、たまたま一日だけ崩れたのではなく、その年のセ・リーグ全体に「どこも決め手がなく、全員が借金圏に沈みうる」空気が漂っていたということです。

もっとも、シーズン最終的にはヤクルトが76勝65敗2分で優勝し、巨人も75勝67敗1分で2位に入りました。一方で、阪神70勝71敗2分、広島69勝71敗3分、中日62勝77敗4分、DeNA62勝80敗1分と、Bクラス側は負け越しが目立ちました。要するに、シーズンの途中には“セ界の終わり”と呼ばれるほど混乱していたものの、最終盤にはある程度順位は整理された、というのが実際の流れです。


なぜセ・リーグはこういうミームが多いのか

理由のひとつは、セ・リーグが昔から人気球団を多く抱え、ネット上でも話題の総量が多いことです。巨人、阪神、中日、広島、ヤクルト、DeNAはいずれもファン層が厚く、順位争いや珍事があるたびに反応が大量に出ます。その結果、単なる順位ネタが語感の強い一語に圧縮されやすいのです。

もうひとつは、セ・リーグでは「強い一強」よりも「全体がもつれる年」がたびたびあり、その混戦ぶりがネタ化しやすいことです。2015年の全球団借金はその象徴でしたし、2013年のように上位2球団とその他4球団が分かれた年も、言葉遊びの材料になりました。実際の順位表という現実の上に、なんJ的な語呂遊びと煽り文化が乗ったことで、ミームとして強く残ったと見るのが自然です。


結論:「巨神ドベカス」は“セ・リーグ全部盛り”の雑ミーム。その周辺に「セ界恐慌」や「ドベカスリーグ」がある

整理すると、「ドベカス」は2013年のセ・リーグ下位4球団――中日、DeNA、広島、ヤクルト――をまとめた呼び名です。そこに巨人と阪神を足し、セ・リーグ6球団を雑に一括りにしたネットミームが「巨神ドベカス」でした。

さらに2015年には、セ・リーグ全球団が借金を抱えるという史上初の状態が発生し、そこから「セ界恐慌」「セ界の終わり」という言葉が広がります。こうした流れの中で、セ・リーグ全体を自虐的に指す「ドベカスリーグ」のような感覚も強まりました。つまりこれらの言葉は別々のネタに見えて、実際には「セ・リーグの順位や混戦を、なんJ的な雑さと語呂の強さでまとめた一連のミーム群」としてつながっています。


参考・引用

  1. 新・なんJ用語集 Wiki*「ドベカス」
  2. 新・なんJ用語集 Wiki*「セ界の終わり」
  3. NPB公式 2013年 セントラル・リーグ 年度別成績
  4. NPB公式 2015年度 セントラル・リーグ チーム勝敗表
  5. NPB公式 2017年度 セントラル・リーグ チーム勝敗表
  6. なんJ(まとめては)いかんのか?「セ・リーグが『巨神ドベカス』でシーズンを終える可能性」
  7. スポニチ野球記者 2015年末の振り返り投稿
  8. ネット用語辞典「ドベカスとは(意味・元ネタ・使い方解説)なんJ」

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