「打つ方はなんとかします」から「打つ方はなんと貸します」へ――中日・立浪監督の発言とトレードの巡り合わせ

アカンプロ野球

かつて中日・立浪和義監督は、打撃不振を問われた際に「打つ方はなんとかします」と明言。その言葉はファンの間で希望の象徴でもあり、時にはネタの対象でもあった。そして、2020年代前半に中日が実施したいくつかの打撃型選手の放出によって、皮肉にもこの言葉は「打つ方はなんと貸します」というネットスラング的な形で進化することになる。

アリエル・マルティネス:正捕手候補だった男の旅立ち

アリエル・マルティネスは打力に優れた捕手・外野手として注目されたが、2022年オフに自由契約となり、翌年から日本ハムに移籍。移籍先での好成績が中日の打線事情と対比され、「放出が早すぎた」との声が相次いだ。

郡司裕也:打撃型捕手、首位打者候補に成長

2023年シーズン中に日本ハムへトレードされた郡司は、移籍後すぐにスタメン捕手として活躍。中日時代には出番が限られていたが、日本ハムでは打率3割超えを記録するなど「隠れた才能の発掘例」としてSNSでも話題に。

阿部寿樹:出戻りの可能性が浮上

2022年オフ、阿部寿樹は楽天へ金銭トレードで移籍。中日では主に打線の中核を担い、20年にはキャリアハイの成績(打率.254、13本塁打、61打点)を記録した実績がある。
それだけに楽天への放出は驚きをもって受け止められたが、2025年オフに中日が再び阿部を獲得するのではないかという報道が浮上。ネットでは「本当に“貸してた”だけだったのか」と話題になっている。

“貸した”選手たちの活躍とチーム打撃の停滞

ここ数年、中日はチーム打率・本塁打数ともにリーグ最下位圏をさまよっている。その一方で、他球団に移籍した元中日野手が活躍する構図が定着。
中日ファンの間では、「打てる選手は出してばかり」「ドラゴンズ打線はレンタル中」との自虐も頻繁に見られる。まさかの阿部寿樹が帰ることによってオチがついてしまった形にもなった・

まとめ:「なんとかします」では済まない現実

打撃改善を掲げた立浪監督の言葉は、いまや多くのトレード劇を経て“ネタ”として定着してしまった。もし阿部寿樹が本当に中日に戻ることになれば、それはまさに「打つ方はなんと貸します」の完全体。
再編されつつある中日打線にとって、過去の“貸出選手”たちの逆流が吉と出るか凶と出るか――今後の補強戦略にも注目が集まる。立浪さんの「割れ」の理論についてはこちらの記事参照ください。

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