投手の「アーム投げ」とはどんな投げ方? よく言われる特徴と代表的な選手をわかりやすく整理

ケガ、故障

野球でよく聞く「アーム投げ」とは、一般には肘の曲げ伸ばしをあまり使わず、腕を大きく振り回すように見える投げ方を指します。ピッチングマシンのアームのように見えることから、そう呼ばれることが多い言葉です。ただし、これはオーバースローやサイドスローのような公式の分類ではなく、かなり感覚的に使われる技術用語でもあります。投球指導系の解説では、肘が伸び気味のまま上がってきたり、遠心力に頼るように見えたりするフォームをアーム投げと呼ぶことが多いです。出典:MORIピッチングラボ「球速アップに繋がる投げ方のポイント」

アーム投げとはどんな投げ方なのか

まず押さえたいのは、アーム投げという言葉が厳密に定義された専門用語ではないということです。たとえばフォームの見た目について、「腕の振りが目立つ」「肘がしなって見えにくい」「体より腕主導に見える」といった時に使われやすい表現です。そのため、同じ投手を見ても「アーム投げだ」と言う人もいれば、「いや、そうではない」と言う人もいます。実際、山本由伸のフォームについても、若い頃は『完全なアーム投げだった』という指摘がある一方で、近年は『アーム投げのように見えても、腕は伸びきったままではない』という解説も出ています。出典:Sportiva出典:First-Pitch

一般にアーム投げと言われやすいフォームの特徴は、ざっくり3つあります。ひとつ目は、テイクバックからトップを作るまでに肘が伸び気味で上がってくること。ふたつ目は、下半身や体幹より腕の振りが目立ちやすいこと。三つ目は、遠心力で腕を振り回しているように見えやすいことです。見た目としては、しなるというより、腕全体を大きく回す印象が強くなります。出典:MORIピッチングラボ

アーム投げは悪い投げ方なのか

ここが一番誤解されやすいところですが、アーム投げ=必ず悪いフォームとまでは言い切れません。昔から一般論としては、「打者にタイミングを合わせられやすい」「肩や肘に負担がかかりやすい」と言われてきました。ただ、Sportivaでは戸郷翔征のフォームを題材に、アーム式を一律に否定するのではなく、個人差による合理性を見た方がいいと指摘しています。出典:Number Web

また、山本由伸のフォームを解説したFirst-Pitchでは、「アーム投げのように解釈されることも多いが、腕は伸びきったままではありません」と説明されており、見た目だけでアーム投げと決めつける危うさにも触れています。つまり、そう見えること本当にアーム投げとして機能していることは別問題です。出典:First-Pitch

代表的な選手は誰なのか

アーム投げの代表例として名前が出やすいのは、まず山本由伸です。Sportivaでは、若い頃の山本について高山郁夫氏が「当時は完全なアーム投げだった」と振り返っています。そのうえで、後にフォームの工夫によって、右腕を伸ばしながらも自然にトップを作れるようになったと説明されています。つまり山本は、アーム投げから進化した代表例として語られることが多い投手です。出典:Sportiva

一方で近年の解説では、山本を単純なアーム投げと見ることには慎重な見方もあります。First-Pitchは、見た目の印象だけで「アーム投げ」と片付けるのではなく、トップで必要な形が作れている点を踏まえるべきだと解説しています。なので山本は、“アーム投げと言われがちだが、実際にはもっと複雑なフォームの代表例”といった方が正確です。出典:First-Pitch

次に名前が挙がりやすいのが戸郷翔征です。Number Webでは、高校時代の戸郷について「肘の伸縮をほとんど利用せず、腕を振り回して投げてくるスタイル、いわゆる『アーム式』」と見られていたと紹介しています。その一方で、同じく戸郷は長いシーズンを大きな故障なく投げてきたことから、一般論だけでアーム式を否定するのは早いとも論じられています。戸郷はまさに、アーム式の是非を考える上でよく出てくる代表例です。出典:Number Web

このほか、昔のプロ野球では岩瀬仁紀小松辰夫のような投手が、ファンや指導論の文脈でアーム式の代表として語られることがあります。ただし、近年の大手メディアがフォーム分類として厳密に定義しているわけではないため、ここは「代表例として語られやすい選手」と捉えるのが安全です。近年の記事で明確に根拠を持って語りやすいのは、やはり山本由伸と戸郷翔征の2人です。出典:Sportiva出典:Number Web

アーム投げの何が問題になりやすいのか

一般論としてよく言われるのは、打者にタイミングを合わせられやすいことと、肩や肘に負担が集中しやすいことです。腕の振りが目立つフォームは、体全体の連動が弱く見えやすいため、「手投げっぽい」「腕だけで投げているように見える」と評価されがちです。ただし、実際にはフォーム全体のバランスや、その投手の身体構造との相性によって結果は変わります。Number Webが戸郷を例に挙げているように、アーム式に見えても故障なく結果を残す投手はいます。出典:Number Web

逆に言えば、見た目だけで「アーム投げだからダメ」と切り捨てるのは危険です。重要なのは、トップの形がどうできているか、下半身主導になっているか、リリースまでの連動が取れているかといった部分で、単に腕の見た目だけでは判断しきれません。山本由伸がその典型で、見た目の独特さと、実際の機能性が必ずしも一致しないことを示しています。出典:First-Pitch

まとめ

投手のアーム投げとは、一般には肘が伸び気味で、腕を大きく振り回すように見える投げ方を指す言葉です。ただし、これは厳密な公式分類ではなく、かなり感覚的に使われる技術用語でもあります。一般論としては、打者にタイミングを合わせられやすい、肩や肘に負担がかかりやすいと言われますが、実際にはその投手の体の使い方や相性によって評価は大きく変わります。出典:MORIピッチングラボ出典:Number Web

代表的な選手としては、若い頃に「完全なアーム投げだった」と語られた山本由伸、高校時代から「いわゆるアーム式」と見られてきた戸郷翔征が挙げやすいです。ただし、どちらも単純に「悪いフォームの代表」ではなく、むしろアーム投げという言葉の曖昧さを象徴する存在でもあります。記事として整理するなら、「アーム投げ=悪い」ではなく、見た目・機能・評価がズレやすい言葉として説明するのがいちばんわかりやすいです。出典:Sportiva出典:First-Pitch


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