2025年ヤクルト戦力外9人のその後と、実際のオフ補強を総まとめ

野球

2025年9月29日、東京ヤクルトスワローズは西川遥輝ら9人に一次戦力外通告を発表した。当時の記事では「池山新体制の血の入れ替え」と書いたが、あれから約半年。実際のオフシーズンの動きはどうだったのか。本稿では、戦力外選手のその後の進路と、ヤクルトの実際の補強を最終データで答え合わせしつつ、2026年シーズンの展望まで総括する。

まず確認──2025年ヤクルトの最終成績

記事初出時は9月28日時点のデータだったが、最終成績は以下の通り。

項目2025最終備考
順位セ・リーグ6位(最下位)3年連続5位以下
成績57勝79敗7分借金22
監督高津臣吾(最終年)2026年〜池山隆寛

セ・リーグは阪神が優勝、DeNA 2位、巨人3位、中日4位、広島5位、ヤクルト6位。初稿で指摘した「打率.235のリーグ下位」「チーム防御率の低迷」はシーズン最後まで改善されず、結局最下位に沈んだ。村上宗隆のポスティングによるメジャー挑戦も重なり、まさに「大きな転換期」を迎えるオフとなった。

戦力外9人のその後──進路まとめ

初稿で取り上げた戦力外9選手の、その後の進路を整理する。

選手名ポジションその後の進路
西川遥輝外野手退団(NPB他球団への移籍報道なし)
原樹理投手退団
山本大貴投手退団
金久保優斗投手退団
山下輝投手引退(2021年ドラフト1位)
宮川哲投手退団
竹山日向投手育成再契約の見込みと報道
鈴木康平(育成)投手退団(→巨人から自由契約後、ヤクルト育成で獲得の鈴木康平とは別件)
中川拓真捕手育成再契約の見込みと報道

2021年ドラフト1位の山下輝が引退を表明したのは象徴的だった。度重なる故障に苦しみ、一軍での実績を積めないままユニフォームを脱ぐことになった。西川遥輝も2025年は49試合で打率.174と本来の力を発揮できず、13年のNPBキャリアに区切りがつく形になった。

実際のオフ補強──「本気」の動き

初稿では「ドラフト上位で即戦力投手」「外国人のコーナー外野手」「守備型捕手」の三本柱を提案したが、実際のヤクルトの動きはそれ以上だった。ファンの間でも「一体何が起きている」と騒がれるほどの積極的な補強が行われた。

【FA獲得】茂木栄五郎(楽天→ヤクルト)

最大の目玉がFA移籍の茂木栄五郎。楽天から国内FA権を行使し、ヤクルトが獲得した。村上宗隆のメジャー挑戦が既定路線だった中で、三塁の穴を埋められる右打ちの実力者を確保したのは大きい。人的補償で小森航大郎が楽天に移籍した。

【ドラフト】投手中心の指名

順位選手名所属ポジション
1位中村優斗愛知工業大投手
2位モイセエフ・ニキータ豊川高外野手
3位荘司宏太セガサミー投手
4位田中陽翔健大高崎高内野手
5位矢野泰二郎愛媛MP投手

1位の中村優斗は即戦力期待の大学生右腕。初稿で「即戦力投手(特に左)」を提案したが、実際には右腕中心の指名となった。2位で将来性のある高校生外野手モイセエフ・ニキータを確保したのは、外野の長期的な打力底上げを見据えた判断だろう。

【新外国人】MLB実績ある投手3枚

ここが最大のサプライズだった。

選手名前所属MLB成績(2024)
ペドロ・アビラガーディアンズ54試合 防御率3.81 6勝1敗 82.2回
ピーター・ランバートロッキーズ28試合 防御率5.72 2勝5敗 61.1回
マイク・バウマンマーリンズほか57試合 防御率5.55 3勝1敗 58.1回

3人とも前年にMLBで50イニング以上投げた実績者。初稿では「外国人のコーナー外野手(長打)」を提案したが、実際には投手を大量補強する方向に舵を切った。チーム防御率の低さを球団が最重要課題と認識していた証拠だろう。特にアビラはMLB通算防御率3.51と安定感があり、先発として計算できる存在。ファンからも「今年の補強本気すぎる」と話題になった。

【現役ドラフト・その他】

現役ドラフトでは広島から矢崎拓也を獲得。2022年に47試合登板で防御率1.82の実績がある右腕で、パワーピッチャーが不足するヤクルト投手陣に新風を吹き込む存在として期待される。一方、ヤクルトからは柴田大地が楽天に移籍した。

退団選手としては、青木宣親の現役引退も大きなトピック。長年チームを支えた外野のベテランが去り、世代交代が一気に進んだ。

初稿の「補強シナリオ」答え合わせ

当時提案した三本柱と、実際の動きを比較する。

提案実際の動き評価
ドラフト上位で即戦力投手(特に左)1位中村優斗(右腕)、3位荘司宏太(右腕)投手補強◯、左腕は外れ
外国人のコーナーOF(長打)外国人は投手3名、野手の新外国人なし方向性が異なった
守備型捕手ドラフトでの捕手指名なし中村悠平の残留で継続か
FA市場で補強茂木栄五郎をFA獲得三塁の穴埋め◎

外野の長打力補強よりも、投手陣の再建を最優先にした球団の判断は理にかなっている。打率.235・借金22のチームにとって、打線のテコ入れだけでは根本的な解決にならない。先発・中継ぎの層を厚くし、「僅差で勝ち切る試合を増やす」という発想のほうが合理的だ。

2026年の展望──池山新監督でヤクルトは変わるか

2026年から池山隆寛が新監督に就任。村上宗隆がポスティングでMLB挑戦に出たことで、三塁には茂木栄五郎がスライドし、打線は山田哲人・長岡秀樹・サンタナ・オスナ・濱田太貴らを軸に再構築する形になる。

投手陣は高橋奎二・吉村貢司郎・奥川恭伸の日本人先発トリオに、アビラ・ランバート・バウマンの新外国人3人が加わり、先発の「量」は確保された。あとは質の問題で、新外国人のうち1人でもエース級の活躍をすれば景色は大きく変わる。中継ぎは星知弥・荘司宏太・矢崎拓也・石山泰稚に木澤尚文らが控え、こちらも枚数は増えた。

課題は相変わらず外野の打力。モイセエフ・ニキータは高卒ルーキーでいきなりの一軍は厳しく、即効性のある補強はサンタナ・オスナの既存外国人がどれだけ打てるかに依存する。とはいえ、投手陣が整備されれば「3-2で勝つ野球」も現実味を帯びてくる。池山新監督のもと、どこまで変わるか注目だ。

※本記事は2025年9月30日時点の初稿を、オフシーズンの補強完了後のデータに基づきリライトしたものです。

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