要旨:日本でのMLB人気はドジャース(大谷翔平)やマリナーズ(イチローの遺産)、パドレス(ダルビッシュ)、そしてカブス(今永昇太・鈴木誠也)強が牽引している。一方で、「日本の検索・視聴・話題性」という指標で見ると、露出が極端に少ない球団もある。本稿では、①Googleトレンド(日本)、②日本語版Wikipediaのページビュー、③日本語圏でのソーシャル露出(公式/準公式の日本語発信や報道量)という公開指標を横断し、“日本から見て”地味=話題化しにくい球団を暫定ランク付けする。※2025年9月28日(JST)時点の公開情報をベースに作成。
評価方法(日本目線の“関心度”を数値化)
- ① Googleトレンド(日本):球団名(日本語)で比較し、過去12〜24か月の相対関心を確認。ピークはニュース要因(大型補強・日本人選手・ポストシーズン)に強く依存。Googleトレンドの比較機能を使用。
- ② 日本語版Wikipediaのページビュー:各球団ページの2025年YTD(年初〜9/27頃)で相対的に低いものをスクリーニング。可視化は「Pageviews Analysis」を利用。※絶対値は月次で変動するため、今回は“低位常連”の傾向で判断。
- ③ 日本語圏でのソーシャル露出:日本語公式/準公式Xアカウントの有無、国内メディア露出量(ニュース化の回数)を確認。MLB全体の日本での露出は、東京シリーズ(ドジャースvsカブス)を境にさらに二極化。
注意:これは“日本から見た話題性”の簡易ランキングであり、球団の歴史的価値や地元人気を貶める意図は一切ない。公開指標を使った“外形的な可視度”の比較だ。
まずは“上位可視”の基準点:ドジャース/カブス/マリナーズ
- ドジャース:大谷の存在で日本史上最大級の視聴・物販。東京シリーズは日本平均視聴者数2,500万超の記録イベントに。大谷のユニ売上は3年連続1位で、日常的な検索・報道量も突出。
- カブス:今永×鈴木の両輪と東京シリーズ効果で、2025年は日本での露出が急増。
- マリナーズ:イチローのレガシーと過去の日本人スターで、恒常的に検索ピークが立つ“基準球団”。(参考:トレンド/報道の蓄積)
この“基準上位”に対し、日本語圏での検索・視聴・ニュース接触が薄い球団を以下にまとめる。
日本から見て“地味”度ワースト(暫定)TOP5
順位 | 球団 | 要因(要約) |
---|---|---|
1 | コロラド・ロッキーズ | 近年の日本人所属・大型補強ニュースが少なく、日本語圏の検索・報道ピークが立ちにくい。日本語版Wikipediaの閲覧も相対的に低位で推移。 |
2 | カンザスシティ・ロイヤルズ | 2015年世界一の記憶はあるが、直近は日本発の話題が限定的。検索・百科ページの露出が低位帯。 |
3 | マイアミ・マーリンズ | イチロー時代は跳ねたが、直近は日本人選手・大きな日本向け報道が少ない。Googleトレンドでもニュース時だけ一瞬上がる構造。 |
4 | クリーブランド・ガーディアンズ | 強豪期でも日本向けの“顔”が不在になりがち。日本語圏のソーシャル露出が少なく、百科の閲覧も伸びづらい。 |
5 | オークランド・アスレチックス | 本拠地移転問題の国際ニュースはあるが、日本人スター経由の継続的話題は限定的。日本語圏では断片的にしか上がりにくい。 |
補足:上表は「日本のユーザーが自然に触れる機会」の薄さでソートしたもの。たとえばレイズやダイヤモンドバックスは実力・育成評価が高い一方、日本でバズりやすい固有名詞(日本人スター、レジェンド、国際イベント)との結節点が弱い年は地味に映りやすい。ただし、ポストシーズン進出や日本人獲得で順位は容易に入れ替わる。またロッキーズは今年歴史的に弱いことでも有名になりました(記事URL:https://ya9ha-jinse.com/?p=158)。
“地味”に見える理由:日本の需要は固有名詞ドリブン
- 日本人スターの有無:東京シリーズの記録的視聴や大谷のユニ売上1位は、日本市場が選手名で動くことを示す。日本人/日本ゆかりのスターがいない球団は、どうしても検索・報道の波が立ちにくい。
- 国際イベント露出:開幕カードや来日イベント、レジェンドの関係性があるか。なければ日本語ニュースの量が増えづらい。
- “継続接触”の場:日本語SNSの発信基盤(公式/準公式)や日本語メディアの追跡対象かどうかで、日常的な関心の足場が変わる。
よくある反論への答え
- 「強いのに地味は変」:勝敗と日本での話題性は相関するが、日本人スターの可視化が最強トリガー。強豪でも日本向けニュースが少ないと“検索波形”は平坦になりがち。
- 「SNSの数字は指標にならない」:本稿ではSNS単体ではなく、トレンド×百科ページビュー×国内報道の3点で“継続接触”を推定している。
- 「レイズ/DBACKSは侮れない」:同意。勝って話題化→翌年は検索が上がることは珍しくない。ここでの“地味”は今年の相対評価だ。
結論:2025年の“日本目線ワースト”はロッキーズ。ただし来季は日本人1名の加入で一変しうる
日本から見た「地味さ」は、日本人スターと国際露出でほぼ説明できる。だからこそ、たった一人の加入や春の来日カードで順位は入れ替わる。実際、2025年の日本ではドジャース×カブスの東京シリーズがMLB史上最高の視聴記録を作り、“選手名×イベント”の威力を再確認させた。ロッキーズやロイヤルズ、マーリンズといった“低露出球団”も、日本選手の獲得や開幕シリーズ招致で可視度を一気に伸ばせる余地がある。
出典と方法:東京シリーズの視聴・物販はAP/Reuters、選手人気はユニ売上(Fanatics集計)報道、検索興味はGoogleトレンド(日本)、百科閲覧はPageviews Analysis。すべて公開指標で2025年9月時点に確認。:contentReference[oaicite:16]{index=16}
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