2026.04.03 / 引用付きHTML記事
広島カープが、4月2日時点でまだチーム本塁打ゼロ。数字だけ見るとかなり異様です。しかも5試合で打率.197、長打率.255、出塁率.267。打線が苦しいのは間違いありません。[1]
では、長打が出ないなら、いわゆる“ゴキブリ野球”とも雑に呼ばれるような、しぶとく走って1点をもぎ取る野球はできているのか。結論から言うと、今の広島は「機動力野球に振り切れている」のではなく、「長打も盗塁も足りない中で、犠打だけがやや増えている」状態です。走塁が完全に消えたわけではないですが、少なくとも開幕直後の数字だけ見れば、武器として機能しているとは言いづらいです。[1][2]
目次
- まず打撃はどれくらい苦しいのか
- “走る野球”は本当に生きているのか
- それでも3勝2敗で踏ん張れている理由
- 今後どこが改善ポイントになるのか
- 結論。今の広島は「機動力のチーム」というより「得点源不足のチーム」
まず打撃はどれくらい苦しいのか
4月2日時点のNPB公式チーム打撃成績を見ると、広島は5試合で31安打、13得点、本塁打0、盗塁0、盗塁刺2、犠打5。セ・リーグ6球団の中で打率.197、長打率.255、出塁率.267はいずれも最下位です。塁打40もリーグ最少で、シンプルに言えば「ヒット数も少ないし、長打がほとんど出ていない」打線になっています。[1]
特に本塁打ゼロは目立ちます。2025年の広島はシーズン143試合で71本塁打と、もともと長打で押し切るチームではありませんでしたが、それでも盗塁57、犠打88を記録していました。ところが今季開幕5試合では、本塁打ゼロに加えて盗塁もゼロ。昨年が「機動力も交えながら、長打不足を補う」チームだったとすれば、今はその補完機能まで弱くなっている形です。[3]
しかも、数字が全部真っ黒というわけでもありません。セ・リーグ個人打率では4月2日時点でファビアンが.389で2位、菊池涼介が.313で10位、坂倉将吾が.308で11位に入っています。打てている選手がいないのではなく、チーム全体として長打や連打にまとまりにくいのが今の広島です。[4][5]
ここがポイント広島の問題は「誰も打っていない」ことより、
「打てる選手がいても、それが本塁打や大量点に結びついていない」ことです。
“走る野球”は本当に生きているのか
広島といえば、昔から足を絡めて相手を揺さぶるイメージがあります。新井政権でも、2023年にはチーム盗塁が大きく増え、スポーツナビは「機動力を取り戻しつつあることが、粘り強く1点を奪い取る攻撃を可能にしている」と評価していました。[6]
ただ、2026年の開幕直後だけを見ると、その色はかなり薄いです。公式成績では盗塁ゼロ、しかも盗塁死2。5試合で犠打は5つあるので、“何とか1点を取りに行こう”という姿勢は見えますが、実際に相手へプレッシャーをかける走塁までつながっていない。言い換えれば、今の広島は「走るチーム」より「送るチーム」に近いです。[1]
オフの補強診断でも、広島については「機動力を生かしきれなかったチーム」に対し、現役ドラフトで辰見鴻之介を獲得したことが補強ポイントとして挙げられていました。つまり、球団側も昨季時点で“もっと走れるはず”という問題意識は持っていたわけです。ところが開幕直後の実戦では、その改善が数字に出ていません。[7]
さらに開幕直後は、外野のドラ1平川蓮が負傷で抹消されるなど、脚力や運動量で上積みしたい部分に小さくない痛手も出ています。もちろん平川ひとりで全てが変わる話ではありませんが、足と守備で勢いをつけたかったチーム事情には、少なからず響きます。[8]
それでも3勝2敗で踏ん張れている理由
面白いのは、ここまで打線が重いのに、広島が4月2日時点で3勝2敗と大崩れしていないことです。試合結果を見ると、開幕カードの中日3連戦は6-5、2-1、1-0で3連勝。その後ヤクルトに3-8、1-2で連敗しています。勝っている試合は完全にロースコア寄りで、接戦を拾ってきた形です。[2]
3月28日はファビアンの決勝適時打で2-1、29日は栗林良吏が1安打完封のマダックスで1-0。つまり、勝ち筋は「打ち勝つ」ではなく、投手力と守りで試合を止めて、少ない好機をものにすることにあります。打線の迫力不足は明白でも、投手陣が試合を壊していないからまだ戦えているわけです。[9][10][11]
逆に言えば、この勝ち方はかなり細い綱でもあります。本塁打ゼロ、盗塁ゼロのまま、毎試合1点差を拾い続けるのは難しい。4月2日のヤクルト戦でも、広島は4安打で1点をもぎ取った一方、最後はサヨナラ負け。接戦耐性だけでシーズンを乗り切るのは限界があります。[1][12]
今の広島の勝ち方長打で一気に決めるのではなく、投手戦を前提に1点差を拾う形。
ただし、本塁打も盗塁も出ないままだと、接戦で取りこぼす日が増えやすいです。
今後どこが改善ポイントになるのか
改善ポイントははっきりしています。ひとつは、長打の最低限の回復です。広島は本塁打ゼロでも二塁打7、三塁打1は出ていますが、長打率.255はさすがに苦しい。ファビアン、坂倉、菊池らの好調な打席内容が、単打だけでなく二塁打・本塁打に変わっていくかが重要になります。[1][4][5]
もうひとつは、やはり盗塁を含む実戦的な機動力の復活です。犠打5は「点を取りに行く意思」としては分かりやすいですが、送りバントだけでは得点力の底上げに限界があります。出塁→進塁→1本で還る、という形を作るなら、1つ先の塁を狙う走塁や盗塁成功がほしい。今の広島はそこがまだ数字になっていません。[1][3][6][7]
もちろん、まだ5試合です。サンプルは極小ですし、1本ホームランが出るだけで空気が変わる時期でもある。ただ、開幕直後のチーム成績だけを冷静に見るなら、「長打不足は想定内だが、機動力までまだ戻っていない」というのが一番近い見立てでしょう。[1][2][3]
結論。今の広島は「機動力のチーム」というより「得点源不足のチーム」
広島カープの本塁打ゼロは、ただの偶然として片付けにくい数字です。4月2日時点で、チームは本塁打0、盗塁0、長打率.255、出塁率.267。これは「長打がないから足で補っている」状態ではなく、長打も足もまだ十分に機能していない状態です。[1]
- 打撃はリーグ最下位レベルで、長打不足が深刻
- 盗塁ゼロで、“走る野球”もまだ戻っていない
- 犠打は出ているが、それだけでは得点力は埋まらない
- 現状の3勝2敗は、投手力と接戦勝ちの貯金が大きい
なので、「広島はホームランが出ない代わりに、昔ながらのゴキブリ野球で勝っている」と言い切るのは、今のところちょっと違います。むしろ実態は、打撃がかなり苦しい中で、投手陣が持ちこたえているチームです。
今後もし広島が上向くなら、答えはたぶん2つしかありません。ひとつはファビアンや坂倉を中心に長打が増えること。もうひとつは、本当に機動力を取り戻して「ホームランがなくても点が入る」形を作ること。現時点では、そのどちらもまだ途上です。だからこそ今の広島打線は、数字以上に慎重に見た方がいいと思います。[1][4][5][7]
※本記事のチーム打撃成績・順位・試合結果は2026年4月2日時点のデータを参照しています。開幕直後のため、サンプルはまだ小さい点に注意が必要です。
参考リンク / 引用元
- NPB「2026年度 セントラル・リーグ チーム打撃成績」
- NPB「広島東洋カープ 2026年度 試合結果【3・4月】」
- NPB「2025年度 セントラル・リーグ チーム打撃成績」
- NPB「2026年度 セントラル・リーグ 個人打撃成績(規定打席以上)」
- NPB「2026年度 広島東洋カープ 個人打撃成績」
- スポーツナビ「数字的に先発陣の働きとともに目立つのは、チーム盗塁数の増加だ」
- スポーツナビ「補強診断 セ・リーグ編」
- デイリースポーツ「広島ドラ1・平川抹消 フェンス激突負傷で『右肩肩鎖関節損傷』」
- 日刊スポーツ「広島 接戦を制して4年ぶり連勝発進」
- NPB「2026年3月29日 広島東洋カープ vs 中日ドラゴンズ」
- デイリースポーツ「中日 開幕3連敗 1安打零敗」
- NPB「2026年4月2日 東京ヤクルトスワローズ vs 広島東洋カープ」



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