2026年シーズンが始まってすぐ、プロ野球ファンのあいだで妙に増えた感想があります。
「今年、屋外だとボール飛んでなくない?」です。
特に春先の楽天モバイル、ベルーナ、甲子園あたりでロースコア気味の試合が続くと、どうしてもそう見えてきます。ですが、結論から言うと、2026年のボールが“屋外球場だけ特別に飛ばない”と断定できる段階ではありません。 むしろ2025年の通年データを見ると、屋外球場の本塁打数はかなりバラついていて、横浜スタジアム128本、神宮球場126本、ZOZOマリン89本とよく飛ぶ球場もあれば、甲子園38本のように極端に出にくい球場もありました。つまり、そもそも「屋外=飛ばない」は2025年の時点で成り立っていないです。[1]
まず、2025年の時点で屋外球場はかなり差が大きい
この話をするなら、先に2025年を見たほうがいいです。2025年の球場別本塁打数では、屋外の横浜スタジアムが128本、神宮球場が126本、ZOZOマリンが89本。楽天モバイルは72本、ベルーナドームは70本、そして甲子園は38本でした。ここから分かるのは、屋外球場をひとまとめにして「飛ぶ」「飛ばない」と言うのがかなり乱暴だということです。同じ屋外でも、ハマスタや神宮と甲子園では別競技みたいに差がある。[1]
しかもこの差は、単に屋根の有無だけでは説明し切れません。球場の広さや形状もかなり大きいです。横浜スタジアムはNPB公表で両翼94m、中堅118m。甲子園も両翼95m、中堅118mですが、一般に甲子園は膨らみが深く、飛球が失速しやすい印象を持たれやすい球場です。一方、楽天モバイルは両翼100.1m、中堅122m、ベルーナドームは100m・122m、ZOZOマリンは99.5m・122mで、数字上はむしろ広い側です。つまり、屋外球場の中でも“狭めで出やすい球場”と“広めで出にくい球場”がはっきり分かれているわけです。[2][3][4][5][6]
2026年序盤は、たしかに屋外で重い試合が目立つ
ただし、噂が出る理由も分かります。2026年4月8日時点のチーム打撃成績を見ると、パ・リーグでは日本ハム22本、ソフトバンク11本、オリックス7本に対して、楽天4本、西武5本。セ・リーグでも阪神5本、DeNA5本、中日5本、広島6本と、全体にまだ本塁打は少なめです。特に日本ハムの22本がかなり目立つので、「ドームのほうが飛んでいて、外は重い」と感じやすい構図にはなっています。[7]
ただ、屋外側の数字も全部が死んでいるわけではありません。広島は9試合で6本塁打、ヤクルトは9試合で9本塁打でした。つまり2026年序盤の時点でも、屋外球場全体がまとめて“飛ばない環境”になっているわけではないです。低調なのは主に、寒さが出やすい球場や、もともと長打力が強くないチーム側です。[7][8]
球場の狭さまで入れると、「屋外=飛ばない」はさらに怪しくなる
ここで球場サイズを入れると、話はもっと単純ではなくなります。たとえば横浜スタジアムは両翼94m・中堅118mで、2025年の本塁打数は128本。かなり出ています。甲子園は95m・118mですが、2025年は38本しか出ていません。数字だけ見れば両球場は近いのに、本塁打数はまるで別物です。つまり、両翼と中堅の数字だけでも語り切れず、球場形状や風、打球の伸び方まで含めて見ないと実態はつかみにくいということです。[1][2][4]
一方で、楽天モバイル100.1m・122m、ベルーナ100m・122m、ZOZO99.5m・122mは、少なくとも公称サイズでは広めです。こういう球場で春先に本塁打が伸びにくいと、「今年のボールは飛ばない」と言いたくなる気持ちは分かります。ただ実際には、広い屋外球場で寒い時期にホームランが減るのはかなり自然です。むしろ、そこを無視してボールだけを疑うほうが少し危ないです。[3][5][6]
寒い屋外ほど打球は飛びにくい、という理屈はある
ここは感覚論ではなく、わりと理屈があります。DELTAの分析では、屋外球場では4月から8月にかけて本塁打になる割合が上がる傾向があり、気温上昇と打球価値の相関も高いと説明されています。MLBの気象解説でも、暖かい日は空気密度が下がって打球の抵抗が減るため、寒い日よりボールが飛びやすいとされています。要するに、屋外で寒い時期に本塁打が出にくく見えるのは、ボール変更よりまず季節要因で説明しやすいです。[9][10][11]
しかもこの効果は、ドームより屋外で強く出ます。ドームは温度や風が比較的安定しているぶん、ボールの飛び方も大きくはブレにくい。逆に屋外は、気温、湿度、風向き、ナイターかデーゲームかでかなり印象が変わる。だから2026年4月上旬の屋外球場を見て「今年のボールは外だけ飛ばない」と感じたとしても、その違和感自体はかなり自然だが、それをそのままボールのせいにするのは飛躍ということになります。[9][10][11]
では2025年と比べて、2026年は本当に悪化しているのか
ここが一番難しいところです。2025年は通年データ、2026年はまだ開幕直後なので、同じ土俵で比べるには早すぎます。しかも2025年の屋外球場は、横浜128本、神宮126本、ZOZO89本、楽天72本、ベルーナ70本、甲子園38本と、もともと格差が非常に大きかった。2026年の初週だけを切り取って「屋外球場全体で一斉に飛ばなくなった」と言えるほど、前提が揃っていません。[1]
むしろ現時点で言えるのは、2026年の“屋外は飛ばない感”は、寒い球場・広めの球場・小サンプルが重なって強く見えている可能性が高いということです。日本ハムのように屋根あり本拠地で22本塁打と派手なチームがあると、対照的に楽天や西武の数字が余計に重く見える。ですが、それは“外だけボールが変わった”証拠にはなりません。[7][8]
結論。2026年の屋外球場は「飛ばないボール」より「寒さ+広さ」を先に疑うべき
結論です。2026年に「屋外球場だとボールが飛ばない」という噂が出るのは、気持ちはかなり分かります。ですが、現時点のデータでそこまで言い切るのは難しいです。
2025年の通年を見ると、屋外球場は横浜128本、神宮126本のような本塁打量産型もあれば、甲子園38本のような超抑制型もありました。しかも横浜は両翼94m・中堅118m、楽天モバイルは100.1m・122m、ベルーナは100m・122m、ZOZOは99.5m・122mと、屋外球場どうしでも広さがかなり違います。つまり、「屋外だから飛ばない」ではなく、「球場の広さと形状、そこに春先の寒さが乗ると飛びにくく見える」が実態に近いです。[1][2][3][5][6]
要するに、2026年の屋外球場で感じる違和感は、ボールの変更を疑う前に、まず春先の寒さと球場差を疑ったほうがたぶん正確です。今後、5月、6月と暖かくなってもなお、広い屋外球場群だけ極端に本塁打が伸びないなら、その時は本格的に騒いでいい。少なくとも4月上旬の段階では、噂は面白いけど、証拠はまだ足りません。[7][9]
参考文献・出典
- 2025年プロ野球球場別ホームラン数
- NPB.jp 横浜スタジアム 球場詳細
- NPB.jp 楽天モバイルパーク宮城 球場詳細
- NPB.jp 甲子園 球場詳細
- NPB.jp ベルーナドーム 球場詳細
- NPB.jp ZOZOマリンスタジアム 球場詳細
- NPB.jp 2026年度 パシフィック・リーグ チーム打撃成績
- NPB.jp 2026年度 セントラル・リーグ チーム打撃成績
- DELTA「季節が成績に与える影響の考察 ~屋外球場編」
- MLB.com Fantasy: Find player value by analyzing weather
- Climate Central Baseball Season Heating Up

