ロッテ寺地が今季から三塁をサブポジションに。捕手と内野を複数守れる他選手と比べて、寺地はどこまでやれるのか?

2026戦力

ロッテの寺地隆成が、2026年シーズンに向けて三塁をサブポジションとして試されていることが話題になっています。2月21日の楽天とのオープン戦では「5番・捕手」で先発しながら、4回から三塁へ回り、打球を無難にさばきました。サブロー監督も試合後に「いけるでしょ」と手応えを口にしています。[1]

起用の背景はかなりわかりやすく、「あれだけ打てる選手をベンチに置いておくのはもったいない」という発想です。実際、寺地は2025年に高卒2年目で116試合、打率.256、5本塁打、33打点を記録し、規定打席にも到達しました。捕手としては盗塁阻止率.128など課題が残る一方、打力はすでに一軍で使いたいレベルにあります。だからこそロッテは、「捕手一本」ではなく「捕手+三塁」で打席数を増やす道を探っているわけです。[2][3][4]

では寺地は、過去の近藤健介、栗原陵矢、郡司裕也、小笠原道大のような「捕手経験を持ちながら別ポジションでも戦力化した打者」にどこまで近づけるのか。結論を先に言えば、いきなり完全コンバート型というより、“捕手が本線で、三塁も守れる打撃型レギュラー”を目指すのが最も現実的です。[1][5][6][7]


まず、なぜロッテは寺地に三塁をやらせるのか

ロッテが寺地を三塁で試している理由は、守備再編そのものというより、打力をどう最大化するかにあります。スポニチは2月21日の練習・オープン戦を受けて、サブロー監督が「不測の事態に備えて」と説明しつつ、複数ポジションを守れる選手を増やすことでチーム力を底上げしたい考えを示したと報じています。日刊スポーツも同様に、寺地について「まだ可能性を探っている段階」としながら、打てる選手をベンチに置いておくのはもったいないという首脳陣の意図を伝えています。[8][9]

これは寺地個人の事情とも一致します。2025年の寺地は打撃で大きく前進した一方、捕手守備では77試合で捕逸4、失策4、盗塁阻止率.128でした。守備率自体は.993ですが、阻止率ではパ・リーグ上位陣に及ばず、本人も送球の改善に取り組んでいると語っています。つまりロッテは、捕手として育てる方針は維持しながらも、守備の完成を待つ間に打撃を眠らせない方法として三塁を試していると見るのが自然です。[3][4][10]


寺地の現状は「捕手失格」ではなく、「打力が先に一軍レベルへ到達した若手捕手」

ここは重要です。寺地の三塁挑戦を見て、すぐに「捕手を諦めた」と考えるのは早いでしょう。NPBの登録上も2026年3月6日時点ではポジションは捕手のままですし、ロッテ側の発信でも「捕手をやめる」ではなく、あくまで出場機会を増やすための選択肢として扱われています。[2][9]

しかも、寺地はまだ20歳です。高卒2年目で116試合に出て規定打席に到達し、打率.256を残した左打ち捕手というだけで、かなり珍しい存在です。スポーツナビも2025年を「飛躍のシーズン」と位置づけており、課題は守備を強化して正捕手の座を固めることだと紹介しています。要するに寺地は、捕手として未完成だからサードへ逃がされる選手というより、打てるがゆえに、捕手以外でも出したくなる若手なのです。[2][11]


比較1:近藤健介タイプか?

寺地を語るとき、まず思い浮かぶのが近藤健介です。近藤はもともと打撃センスを買われた捕手として期待され、共同通信のWBC選手紹介でも「打撃センスが光る捕手として期待を集め、2016年以降は外野手での出場が大幅に増えた」と説明されています。現在の登録は外野手で、2025年もソフトバンクで75試合、打率.301、10本塁打、41打点、出塁率.410を記録しました。[5][12]

ただし、寺地がいきなり近藤型になるかというと少し違います。近藤は最終的に「捕手の打力を外野に移して最大化した」成功例で、守備負担の重い捕手からかなり距離を取ったパターンです。一方の寺地は、現時点ではまだ捕手として育てる価値が非常に高い。だから方向性としては、近藤のような完全な捕手離れではなく、まずは「近藤ほど守備位置を絞らず、捕手も残す複線型」のほうが現実的です。[5][9]

打者としての資質だけを見れば、寺地には近藤型の伸びしろを感じる部分もあります。若くして一軍で打席対応力を見せ、規定打席まで到達したという点では、「捕手出身の打撃型」として確かに系譜は重なります。ただし、近藤は最終的にリーグ屈指の出塁マシンへ到達した完成形であり、寺地はまだその入口です。比較としては魅力的でも、現時点では“方向性が少し似る”くらいにとどめたほうが正確でしょう。[12][2]


比較2:栗原陵矢タイプか?

寺地と最も比較しやすいのは、実は栗原陵矢かもしれません。栗原は現在、ソフトバンクで登録上は内野手ですが、もともとは捕手経験を持つ左打者です。2026年春には再び捕手にも挑戦しており、パ・リーグ公式は「公式戦で捕手に就いたのは2021年が最後」と紹介しています。つまり栗原は、捕手の素養を持ちながら、三塁や一塁などで打力を生かしてきた代表例です。[6][13]

しかも打撃実績も大きい。栗原は2025年に80試合、打率.267、8本塁打、40打点を記録し、三塁守備では77試合に就いています。捕手出身でありながら、三塁を主戦場にして中軸の役割を果たせるところまで持っていった例として、寺地にとってはかなり現実味のある比較対象です。[14][15]

寺地が目指すべき短中期のモデルを一人挙げるなら、私はこの栗原型だと思います。つまり、「捕手としての可能性は残しつつ、角のポジションでも打線に置ける左打者」です。近藤ほど完全に捕手を離れず、郡司ほど役割を散らしすぎず、まずは三塁で一定水準に達して打撃をレギュラー級へ押し上げる。寺地の今の使われ方は、かなりこの絵に近いです。[1][13]


比較3:郡司裕也タイプか?

現実的な比較として、もう一人かなり近いのが郡司裕也です。郡司は本職が捕手ながら打力を生かすために守備位置を広げてきた選手で、2024年は春季キャンプから初めて三塁に挑戦し、8月末時点で三塁手として91試合に出場したとパ・リーグ公式が伝えています。2025年のスポーツナビ選手紹介でも、郡司は「守っては5つのポジションをこなす」選手として紹介され、打撃では111試合、打率.297、10本塁打、42打点を残しました。[7][16]

郡司型のポイントは、「本職以外を守ること自体が目的ではなく、打席に立たせるために守備位置を増やした」ところです。これは今の寺地と非常に近い。寺地もまた、「守備の名手だから三塁へ」ではなく、「打てるから三塁も覚えて出場機会を増やす」という発想で動いています。[8][9][7]

ただ、郡司と寺地には違いもあります。郡司は捕手として一定年数を経験したうえで、かなりユーティリティー寄りに役割を広げた選手です。一方の寺地は20歳で、まだ捕手育成をやめる段階ではありません。だから寺地がすぐ郡司型の「どこでも守る人」になるというより、当面は捕手と三塁の二刀流寄りで進む可能性が高いでしょう。比較対象としてはかなり近いですが、寺地のほうが捕手としての未来をまだ強く残しているぶん、少し違います。[2][7]


比較4:小笠原道大タイプか?

長い目で見たときの大成功例としては、やはり小笠原道大が外せません。パ・リーグ公式は2019年の記事で、小笠原について「捕手から一塁、そして三塁に挑戦して球界を代表する選手になった」と振り返っています。NPB公式の年度別成績を見ると、三塁へ本格的に動いた時期の代表的な数字として、2003年に打率.360、31本塁打、100打点、出塁率.473という圧倒的成績を残しました。[17][18]

もちろん、寺地にいきなり小笠原級を重ねるのは飛躍があります。ただ、小笠原の例が示しているのは、捕手出身でも、打力が本物なら角のポジションでスターになれるということです。寺地の三塁挑戦を見て「捕手失格」と短絡するより、むしろ打力の高い捕手経験者に、別ポジションの道を開くことは昔からあると考えたほうが自然です。[17][18]

ただし現実的には、小笠原型は「最終到達点」の話です。寺地はまだ一軍で一年結果を出した段階で、守備位置の整理もこれから。今すぐ小笠原のような主砲型へ直結するというより、まずは栗原や郡司のように“複数守れて打てる”段階へ行けるかが先になります。[14][16][18]


結局、寺地はどこまでやれそうか

ここまでの比較を踏まえると、寺地の2026年以降の現実的な天井は、まず「捕手メイン+三塁サブで週に複数回出られる打撃型レギュラー」です。今のロッテが求めているのも、おそらくそこです。サブロー監督が「あれだけ打てる選手をベンチに置いておくのはもったいない」と語った通り、狙いは守備革命ではなく打席数の確保にあります。[9]

その次の段階として考えられるのが、栗原型です。つまり、シーズンを通して三塁でも十分に出場し、場合によっては捕手にも戻れる左の中軸候補になること。寺地の打撃が2025年からさらに一段上がるなら、この道は十分見えてきます。[13][14]

一方で、近藤型のように完全に捕手を離れて打撃特化へ行くか、あるいは郡司型のように複数ポジションを転々とするかは、まだ早いです。寺地は年齢が若く、捕手としての成長余地も大きい。2025年に見せた打力を保ちながら、捕手守備の課題をどこまで改善できるかが今後の分岐点になるでしょう。だから現時点の評価としては、「完全コンバート候補」ではなく、「打力が強すぎて三塁もやらせたくなる若手捕手」がいちばんしっくりきます。[3][4][10]


結論:寺地は“第2の小笠原”を急ぐ段階ではなく、“栗原+郡司の中間”を目指すのが現実的

寺地の三塁サブ挑戦は、捕手失格のサインではありません。むしろ、高卒2年目で規定打席に乗るほど打てるからこそ、捕手以外でも出したいという前向きな起用です。ロッテ首脳陣の発言を見ても、テーマは一貫して「打てる選手をどう使うか」にあります。[2][8][9]

比較対象でいえば、現時点で最も近いのは栗原陵矢と郡司裕也の中間です。捕手経験を持ちつつ、三塁でも打線に組み込みたいタイプ。一方で、将来的な最高到達点としては、近藤健介のような打撃一本化や、小笠原道大のような主砲化という夢もゼロではありません。とはいえ今の寺地に必要なのは、まず捕手を本線に置いたまま三塁で“使える”ところまで行くことです。そこを越えた先に、ロッテ打線の中核になる未来が見えてきます。[5][6][7][17]


参考・引用

  1. パ・リーグ.com「【ロッテ】『6番・藤原』『三塁・寺地』 サブロー新監督が大胆采配」
  2. NPB公式 寺地隆成 個人年度別成績
  3. NPB公式 2025年度 千葉ロッテマリーンズ 個人守備成績
  4. NPB公式 2025年度 パ・リーグ 盗塁阻止率(捕手)
  5. 共同通信 WBC選手紹介「近藤健介」
  6. パ・リーグ.com「捕手再挑戦中の栗原陵矢は状態を上げられるか」
  7. パ・リーグ.com「【日本ハム】三塁定着の郡司裕也が今季116戦目で初マスク」
  8. スポニチ「ロッテ 不測の事態備え守備シャッフル 内野手の小川、宮崎竜が中堅、捕手の寺地が三塁守る」
  9. 日刊スポーツ「【解説】ロッテがポジション大シャッフルでシートノック その理由とは」
  10. パ・リーグ.com「ロッテ・寺地隆成『しっかりとしたスローイングが出来るように』」
  11. スポーツナビ 寺地隆成 選手ページ
  12. NPB公式 近藤健介 個人年度別成績
  13. 福岡ソフトバンクホークス公式 栗原陵矢 選手名鑑2026
  14. NPB公式 2025年度 福岡ソフトバンクホークス 個人打撃成績
  15. NPB公式 2025年度 福岡ソフトバンクホークス 個人守備成績
  16. スポーツナビ 郡司裕也 選手ページ
  17. パ・リーグ.com「三塁挑戦の北海道日本ハム浅間に重なる小笠原道大の姿」
  18. NPB公式 小笠原道大 個人年度別成績

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