キューバ代表の投手と聞いて、日本のファンが真っ先に思い浮かべるのはやはりリバン・モイネロでしょう。ソフトバンクのエースとして2024年、2025年と2年連続で圧倒的な成績を残し、2026年WBCでも初戦パナマ戦で3回2/3を無失点、4奪三振とさっそく好投しました。[1][2]
ただ、キューバ代表の怖さはモイネロ一人で終わりません。MLB公式の大会プレビューでも、キューバは「複数の実績ある投手で試合を作れる」チームとして紹介されており、特にヤリエル・ロドリゲス、ルイス・ロメロ、モイネロの名前が挙げられています。さらに日本のファン目線で見逃せないのが、NPBで長年クローザーとして君臨してきたライデル・マルティネスです。[3][4]
そこで今回は、モイネロ以外で特に警戒したいキューバ代表投手を3人ピックアップし、どこが怖いのかを整理してみます。
1人目:ヤリエル・ロドリゲス ―― キューバ投手陣で最も“総合力が高い”右腕
まず最初に挙げたいのが、ヤリエル・ロドリゲスです。MLB公式の2026年キューバ代表プレビューでは、ロドリゲスはキューバ投手陣の中心格として紹介され、2023年WBCでは7回1/3で防御率2.45、10奪三振を記録した実績があるとされています。2023年大会の準々決勝オーストラリア戦でも、MLB公式はロドリゲスが3回2/3を1失点で試合の流れを作ったと振り返っています。[3][5]
しかも、今は国際大会専用の投手ではありません。MLB公式の選手ページによると、2025年のトロント・ブルージェイズでは66試合、73イニング、防御率3.08、WHIP1.15を記録しました。先発固定ではなくリリーフ寄りの起用でしたが、メジャーの打者相手にこの数字なら十分に優秀です。ロイターも2025年オフの記事で、ロドリゲスが73イニングで防御率3.08を残したと伝えています。[6][7]
タイプとしては、球威と変化球の質で押していける右腕です。MLBのStatcastでも、2025年は被打の質をかなり抑えており、相手の推定wOBAを低く抑える内容が出ています。短いイニングなら球威で押し切れますし、ある程度長い回を任されてもゲームを壊しにくい。だからロドリゲスは、キューバ投手陣の中で最も“日本のファンにもわかりやすく危険な投手”と言っていいでしょう。[8]
日本の感覚でたとえるなら、先発も中継ぎもできる頃の山本由伸と、パワーリリーフ型右腕の中間のような嫌さがあります。もちろん実績の質は別ですが、「どこで投げても相手にしたくない右腕」という意味ではかなり近いです。
2人目:ライデル・マルティネス ―― 日本のファンが一番よく知る“絶対的守護神”
日本のファンにとって、モイネロの次に知名度が高いキューバ投手はおそらくライデル・マルティネスでしょう。NPB公式によると、マルティネスは2025年に巨人で58試合、46セーブ、防御率1.11、65奪三振を記録しました。NPB通算でも2025年終了時点で361試合、212セーブ、防御率1.62。もはや「良い助っ人」ではなく、日本球界でも歴代級のクローザー候補と言っていい成績です。[4]
特に恐ろしいのは、これだけ長く日本で投げながら数字がほとんど落ちていないことです。NPB公式の年度別成績を見ると、2022年は防御率0.97、2023年は防御率0.39、2024年は防御率1.09、2025年は防御率1.11。クローザーは波が出やすいポジションなのに、ここまで毎年安定しているのは異常です。[4]
WBCのような短期決戦では、このタイプが本当に厄介です。先発が5、6回までしのげば、終盤をライデルに託せる。しかもキューバ代表にとっては、MLBやNPBで結果を出している投手が限られる中で、「9回の安心感」を保証してくれる存在は非常に大きいはずです。大会前のキューバ関連記事でも、ライデルはブルペンの中核として名前が挙がっていました。[9]
NPB基準で言えば、もちろん比較対象の最有力は全盛期のサファテです。球種や細部は違っても、「8回までにリードしていたらほぼ終わり」という空気を作れるクローザーである点はかなり似ています。キューバ戦で終盤に僅差になったとき、日本が一番見たくない投手の一人でしょう。
3人目:ルイス・ロメロ ―― 知名度は低くても、国際大会ではやたら怖い右腕
3人目は、一般的な知名度では前の2人に劣るものの、WBCではかなり危険な存在だったルイス・ロメロです。MLB公式の2026年キューバ代表プレビューでは、ロメロは2023年WBCで8回2/3、防御率2.08、13奪三振を記録した投手として紹介されています。2023年のWBC投手成績でも、ロメロは大会トップの13奪三振を記録していました。[3][10]
つまりロメロは、普段の所属リーグや知名度以上に、国際大会で急に存在感を増すタイプです。MLB公式のキューバ代表プレビューでも、モイネロやヤリエルと並んで“WBCで証明済みの投手”として名前が出てくるのは、そのためでしょう。[3]
最新の所属動向を見ると、MiLB公式では2025年オフから2026年にかけて、メキシコや冬季リーグ、キューバ代表などを行き来していることが確認できます。いわゆるMLBの第一線ローテ投手ではありませんが、短期決戦の数イニングなら一気にギアを上げてくるタイプと見るべきです。[11]
NPBでたとえるなら、シーズン通算よりも短期決戦で突然厄介になる外国人リリーフに近いです。普段の知名度だけで油断すると、1〜2イニングを力でねじ伏せられる。こういう投手がブルペンにいるのが、キューバ代表の怖さでもあります。
結局、モイネロ以外で誰が一番怖いのか
総合的に見ると、一番厄介なのはヤリエル・ロドリゲスだと思います。理由はシンプルで、先発でも中継ぎでも使えそうな柔軟性があり、なおかつMLBでの直近成績もしっかりしているからです。WBCでも結果を出していて、しかも大会の流れを左右する役割を任せやすい。キューバ代表の中で最も“計算できる右腕”と言えるでしょう。[3][6]
次に嫌なのは、やはりライデル・マルティネスです。先発で試合を作られたあと、終盤にライデルが控えている展開はかなりしんどい。しかも日本の打者にとっては見慣れているはずなのに、数字を見る限り簡単には打てていません。[4]
そして、表面的な知名度以上に警戒したいのがルイス・ロメロです。WBCではこういう“大会に入ると急に化ける投手”が本当に怖い。2023年に13奪三振を積み上げた実績は、単なるフロックでは片づけにくいです。[10]
結論:キューバの恐ろしさは、モイネロ一枚看板ではないこと
キューバ代表の投手陣は、モイネロだけ見ていればいいチームではありません。MLBで実績を積んだヤリエル・ロドリゲス、NPB屈指の守護神ライデル・マルティネス、そして国際大会で異様な存在感を見せるルイス・ロメロまでいる。[3][4][10]
要するにキューバの怖さは、“エース左腕が1人いる”ことではなく、“後ろまでちゃんと嫌な投手が続く”ことです。モイネロだけじゃない。これが、今のキューバ代表の本当の厄介さと言っていいでしょう。
参考・引用
- パ・リーグ.com(英語版)「The Cuban national team is packed with players who are familiar to Japanese fans」
- Reuters「WBC roundup: Cuba goes yard twice to beat Panama」
- MLB公式「Cuba World Baseball Classic 2026 preview」
- NPB公式英語版 Raidel Martinez 選手ページ
- MLB公式「Cuba vs. Panama in 2026 World Baseball Classic」
- MLB公式 Yariel Rodríguez 選手ページ
- Reuters「Blue Jays outright RHP Yariel Rodriguez」
- Baseball Savant Yariel Rodríguez Statcastページ
- World Baseball Network「Early Preview: Cuba’s Potential 2026 WBC Lineup」
- MLB公式 2023 WBC 投手成績
- MiLB公式 Luis Romero 選手ページ



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