伊藤大海の球速が少し気になる――。 そんな声が、ここ数日かなり増えています。 とくに2026年3月15日のWBC準々決勝後は、 「ここまで球速が出ない伊藤大海は見たことがない」 といった反応まで出ました。[1]
もちろん、1試合や1登板だけで 「もう危ない」 と断定するのは早いです。 ただ、心配したくなる理由もあります。 2025年の伊藤は、 27試合、196回2/3、14勝8敗、防御率2.52、195奪三振、6完投。 日本ハム公式でも、この成績で沢村賞を受賞したことが紹介されています。[2][3] 現代野球では、これはかなり重い稼働です。
では、こういう “前年にすごいイニングを投げた投手” は、翌年どうなるのか。 結論から言えば、 落ちる投手もいれば、持ちこたえる投手もいる です。 この記事では、 伊藤大海の2025年を振り返りつつ、 過去の実例を並べて考えてみます。
目次
- 伊藤大海の球速は本当に心配なのか
- 2025年の伊藤大海はどれだけ投げたのか
- 過去に「投げすぎた」投手の翌年はどうだったか
- 伊藤大海はどのパターンに近いのか
- 結論 不安は自然。ただしまだ断定は早い
- 参考・引用
伊藤大海の球速は本当に心配なのか
まず前提として、 現時点で 「故障が確定した」 と言える材料までは出ていません。 ここは冷静に見ないといけません。
ただし、WBC準々決勝後には 球速が出ていないことを心配する声 が実際に広がりました。 東スポ系の記事では、 ファンから 「ここまで球速が出ない…見たことない」 という反応が出たとまとめられています。[1] つまり、 少なくとも“違和感”はかなり共有されている 状態です。
そしてこの違和感は、 単なる気のせいとして笑い飛ばしにくい部分があります。 なぜなら伊藤は2025年、 現代野球ではかなり珍しいレベルで 先発投手としてフル回転した からです。[2][4]
今の段階で言えるのは、
「故障とは断定できないが、心配する理由はちゃんとある」
ということです。
2025年の伊藤大海はどれだけ投げたのか
NPBの個人年度別成績によると、 伊藤大海の2025年は 27試合、14勝8敗、196回2/3、防御率2.52、195奪三振、6完投1完封 でした。[2] 2024年が 176回1/3 だったので、 1年でさらに20回以上増えています。[2]
日本ハム公式でも、 伊藤は2025年に 最多勝、最多奪三振、沢村賞 を獲得したと案内されています。[3] パ・リーグ.comのシーズン総括でも、 27試合先発、6完投、5年連続規定投球回到達 と紹介されており、 エースとしてほぼ限界まで回ったことが分かります。[4]
しかも、現代のNPBで200イニング近く投げること自体がかなり希少です。 パ・リーグ.comでは、 NPBで最後に200イニングを投げたのは2018年の菅野智之 と紹介されています。[5] 伊藤の196回2/3は200には届かなかったとはいえ、 いまの基準ならほぼ“200級”の稼働 と見ていい数字です。
伊藤大海の投球回推移
2023年:153回1/3
2024年:176回1/3
2025年:196回2/3
つまり、 2025年の伊藤は 「いい年だった」ではなく、「かなり消耗の大きいレベルで最高の年だった」 と見るべきです。
過去に「投げすぎた」投手の翌年はどうだったか
ここで大事なのは、 前年に大量イニングを投げた投手が、翌年に必ず落ちるわけではない ことです。 ただし、落ちる例は確かにあります。
たとえば 菅野智之。 2018年は 202回、防御率2.14 という圧巻のシーズンでしたが、 翌2019年は 136回1/3、防御率3.89 まで落ちました。[6] もちろん理由は単純ではありませんが、 200イニング級の翌年に数字が落ちる典型例としてはかなり有名です。
金子千尋 も分かりやすいです。 2013年は 223回1/3、防御率2.01、 2014年も 191回、防御率1.98 とほぼフル回転しましたが、 翌2015年は 93回、防御率3.19 にとどまりました。[7] これはかなり大きな落差です。
ただし、逆の例もあります。 山本由伸 は2021年に 193回2/3、防御率1.39を投げ、 翌2022年も 193回、防御率1.68 と高いレベルを維持しました。[8] つまり、 重いイニングの翌年=即崩壊 ではありません。
要するに、 大量イニングの翌年は 落ちるリスクが上がる とまでは言えそうですが、 それがそのまま結果になるかは、投手ごとの耐久性やフォーム、年齢、球種構成でかなり変わる ということです。
参考になる過去例
菅野智之:2018年 202回 / 防御率2.14 → 2019年 136回1/3 / 防御率3.89
金子千尋:2014年 191回 / 防御率1.98 → 2015年 93回 / 防御率3.19
山本由伸:2021年 193回2/3 / 防御率1.39 → 2022年 193回 / 防御率1.68
伊藤大海はどのパターンに近いのか
正直、まだ断定はできません。 ただ、 伊藤の2025年が「かなり危険な水域の稼働だった」ことは確か です。 196回2/3という数字は、現代のNPBではほぼ200イニング級。 しかも完投数も多く、奪三振も多い。 ただ長く投げたのではなく、 強い球で長く投げ続けた ことが負荷を大きくしています。[2][4]
一方で、伊藤は2021年から 146回、155回2/3、153回1/3、176回1/3、196回2/3 と段階的に負荷を上げてきました。[2] いきなりゼロから200近く投げたわけではなく、 毎年ローテを守りながら積み上げてきたタイプです。 そこは少しポジティブに見てもいい材料です。
だから現時点では、 菅野や金子のように一気に落ちる可能性もあるし、 山本由伸のように高水準を維持する可能性もある。 その分かれ目を測る最初のサインとして、 ファンは 「球速が戻るか」 を見ているのだと思います。
不安の本質は、単に1試合打たれたことではありません。
2025年の重すぎる稼働の反動が、球速という一番分かりやすい形で出ていないか
そこが気になっているのです。
結論 不安は自然。ただしまだ断定は早い
結論として、 伊藤大海の球速を心配するのは自然 です。 2025年の196回2/3は、 いまのNPBではかなり異例の重さでした。[2][5] しかも過去には、 それだけ投げた翌年に数字を落とした投手が実際にいます。[6][7]
だから本当に見るべきなのは、 数日後の感情ではなく、 開幕前後に球速、球のキレ、空振り率、イニングの伸び方がどう出るか です。 そこで戻ってくるなら、 ただの一時的な疲労や調整のズレだったと言える。 逆に戻らないなら、 2025年のフル稼働の反動を本気で心配すべき段階に入ります。
参考・引用
- 東スポWEB系配信「【WBC】痛恨3ラン被弾の伊藤大海にファンは心配の声『ここまで球速が出ない…見たことない』」
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1405772309211693612/ - NPB「伊藤 大海(北海道日本ハムファイターズ) | 個人年度別成績」
https://npb.jp/bis/players/51355153.html - 北海道日本ハムファイターズ公式「伊藤大海投手が2025年沢村栄治賞受賞」
https://www.fighters.co.jp/news/detail/202500792036.html - パ・リーグ.com「先発陣が計23完投と奮闘。伊藤大海は沢村賞を受賞【北海道日本ハム2025年振り返り】」
https://pacificleague.com/news/2025/12/79068 - パ・リーグ.com「3年連続投手四冠の山本由伸も届かず…18年の菅野を最後に“200イニング”は遠い記録に」
https://pacificleague.com/news/2024/12/10036372 - NPB「菅野 智之(読売ジャイアンツ) | 個人年度別成績」
https://npb.jp/bis/players/41745137.html - NPB「金子 千尋(北海道日本ハムファイターズ) | 個人年度別成績」
https://npb.jp/bis/players/41345110.html - NPB「山本 由伸(オリックス・バファローズ) | 個人年度別成績」
https://npb.jp/bis/players/53355134.html



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