デュプランティエはソフトバンク移籍が濃厚か? MLB&阪神との争奪戦を制した“虎のドクターK”、ホークス先発補強の軸に

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2025年オフの先発市場で、最大級の目玉になっていたのが阪神のジョン・デュプランティエ投手です。
来日1年目で15試合登板・90回2/3・6勝3敗・防御率1.39・113奪三振と圧巻のパフォーマンスを残し、セ・リーグ優勝の原動力に。
シーズン終盤の故障と自由契約をきっかけに、阪神の慰留に加えてMLB複数球団・国内他球団が争奪戦を繰り広げてきました。

そうした中で、12月13日付の報道では「ソフトバンクが獲得決定的」「他球団との争奪戦を制した」と伝えられており、
ホークスが事実上の“勝者”となった形です。

ここでは、デュプランティエのこれまでの経歴と2025年のスタッツ、
そしてモイネロの日本人枠化も含めたソフトバンクの補強ポイントを整理していきます。


ジョン・デュプランティエのプロフィールとキャリア概要

  • 名前:ジョン・デュプランティエ(Jon Duplantier)
  • 生年月日:1994年7月11日(31歳)
  • 出身:アメリカ合衆国 デラウェア州ニューアーク
  • 身長/体重:193cm/約103kg
  • 投打:右投左打
  • 経歴:ライス大 → ダイヤモンドバックス(MLB)→ 各球団マイナー → 阪神(2025)

2016年ドラフトでダイヤモンドバックスから3巡目指名を受けプロ入り。マイナーでは先発として育成され、2017年にはハイA/AA合算で12勝3敗、防御率1点台の好成績を残し、トッププロスペクトの一人と評価されました。

2019年にメジャーデビューし、2019〜2021年にかけて合計19試合登板・防御率6.70。先発・リリーフ双方を経験しましたが、度重なる故障もあってMLBに定着するには至らず、その後は複数球団のマイナーを渡り歩きます。

2024年オフに阪神と契約し、2025年にNPB初登板。
ここで一気にポテンシャルが開花し、「虎のドクターK」と呼ばれるまでの存在になりました。


2025年・阪神でのスタッツと投球スタイル

圧巻の1.39、防御率と奪三振能力

NPB公式・各種報道を総合すると、デュプランティエの2025年阪神での成績は次の通りです。

  • 登板:15試合(すべて先発)
  • 投球回:90回2/3
  • 成績:6勝3敗・2完封
  • 防御率:1.39
  • 奪三振:113(三振)
  • K/9:約11.2(三振/9回)

平均球速150キロを超えるストレートに、縦に大きく割れるナックルカーブが最大の武器。
90回2/3で113奪三振という数字が示す通り、「イニングを大きく上回る三振を奪う先発」としてセ・リーグでもトップクラスの支配力を見せました。

故障と戦線離脱というリスク

一方で、8月上旬以降は下肢のコンディション不良で戦線離脱。リーグ戦終盤からポストシーズンにかけて登板が限られ、
日本シリーズ第2戦でも1回2/3・7失点で降板するなど、終盤は万全とは言い難い状態でした。

アマチュア時代から肩・肘を含め故障歴の多い投手として紹介されており、
「能力はエース級だが、年間通して健康を維持できるかが最大のリスク」という評価はNPBでも変わっていません。


MLB&NPB他球団との争奪戦、なぜソフトバンクが“本命”になったのか

MLB複数球団も調査、阪神は全力慰留

シーズン終盤の時点で、日本メディアは「MLB複数球団がデュプランティエを調査」と報道。阪神側も来季以降の柱として残留交渉を続けていたとされています。

しかし、12月2日に公示された保留選手名簿にデュプランティエの名前はなく、一度自由契約に。
それでも阪神は交渉継続の方針を示していましたが、最終的には12月13日に「交渉終了」が公式発表され、流出が確定しました。

ソフトバンクが争奪戦を制した背景

パ・リーグ公式サイトに掲載されたスポーツ報知の記事によると、
ソフトバンクはシーズン中から阪神のデュプランティエ、DeNAのアンソニー・ケイの両投手を継続調査。
ケイがメジャー復帰の道を選んだ一方で、デュプランティエに対して熱心にアプローチを続けてきたとされています。

そして12月13日付の記事では、

  • 阪神を自由契約となったデュプランティエのソフトバンク入りが「獲得決定的」
  • 残留交渉をしていた阪神に加えてNPB他球団も獲得調査を進めていたが、ソフトバンクの熱意が上回った
  • 交渉は大詰め段階で、福岡移転後初のリーグ3連覇を目指す補強の一環

と報じられています。

10月末の時点ではMLB複数球団の調査も伝えられており、
そこから12月時点でソフトバンク行きが最有力になっていることを踏まえると、
「日米の争奪戦の末に、ホークスが勝ち切った」という構図で見てよさそうです(現時点ではあくまで報道ベース)。


ソフトバンクの補強ポイントとデュプランティエのフィット

① 先発の“上積み”がテーマだったホークス

ソフトバンクは2024〜2025年とリーグ連覇を達成し、2026年シーズンに向けて福岡移転後初の3連覇を目標に掲げています。

一方で、エース格の有原航平が自由契約となり去就が不透明であること、
既存先発陣にも故障歴を抱える投手が多いことから、球団は「先発投手の上積み」を最優先の補強ポイントと位置付けてきました。

このオフだけでも、ホークスは

  • 左腕・濵口遥大(DeNAからトレード)
  • 右腕・上茶谷大河(現役ドラフト絡みのトレード)
  • 右腕・伊藤優輔(巨人から契約譲渡)

など国内投手を立て続けに獲得し、先発候補の層を厚くしてきました。

さらに、台湾・味全ドラゴンズの最速158キロ右腕・徐若熙(シュー・ルオシー)の獲得が「秒読み段階」とも報じられており、
そこにデュプランティエが加われば、「日本人+外国人エース級」でローテ上位を固める構想が現実味を帯びてきます。

② デュプランティエの投球プロファイル

デュプランティエの2025年阪神時代の横顔を、ソフトバンク視点でまとめると──

  • 150キロ超のストレート+ナックルカーブ+スライダーで空振りを量産
  • K/9は約11.2で、「日本シリーズ進出チームの先発の中でもトップクラス」の奪三振能力
  • NPB1年目ながら防御率1.39・2完封で、球界でも指折りの結果を残した
  • 一方で、故障歴は多く年間通しての稼働には不安あり

という、典型的な「ハイリスク・ハイリターン型のエース級素材」です。

すでに先発陣の頭数が揃っているソフトバンクにとっては、
「ローテの絶対的エースを一人補強する」よりも、“怪我さえなければリーグ屈指”クラスの投手を複数抱える選択肢を取れる環境にあります。

その意味で、「健康ならエース級」のデュプランティエは、ホークスの戦力構造と非常に相性が良いタイプと言えるでしょう。


モイネロの日本人枠化と、外国人枠の再設計

モイネロが国内FA取得で“日本人扱い”に

2025年6月、ソフトバンクのリバン・モイネロが国内FA権を取得。
これにより、2026年シーズンからは日本人選手枠として扱われることが、各紙で報じられました。

スポニチによれば、「モイネロが日本人枠となり、モイネロに加えて外国人4人の同時起用が可能」になるとのこと。

これまではモイネロ自身が外国人枠を1つ占めていたため、
ローテーション編成の中で「外国人先発を何人置けるか」という調整が必要でしたが、
日本人扱いとなることで外国人投手を以前より柔軟に同時起用できるようになります。

「モイネロ+外国人先発複数」という贅沢ローテも現実的に

モイネロは先発転向後も、2024〜2025年にかけて防御率1点台を記録するなど、
ソフトバンクのエース級として君臨しています。

そこに、

  • CPBLの徐若熙(合意間近と報道)
  • NPB実績抜群のデュプランティエ(獲得決定的)
  • 既存の外国人投手 & 野手陣

外国人枠4人の中でやりくりできるようになるわけで、
「日本人扱いエース+外国人エース級複数」というNPB屈指の贅沢な布陣が視野に入ってきます。

デュプランティエ獲得を本格化させた背景には、単に先発補強だけでなく、
モイネロの日本人枠化によって生まれた“余白”を最大限に活かす狙いもあると言えるでしょう。


まとめ:ホークス先発陣の「最後の1ピース」になれるか

  • デュプランティエは2025年阪神で15試合・90回2/3・6勝3敗・防御率1.39・113奪三振と、NPBでもトップクラスの投球内容を見せた。
  • MLB複数球団・NPB他球団が調査する中で、ソフトバンクが争奪戦を制し獲得決定的と報じられている。
  • ソフトバンクは有原の去就不透明などを受け、先発陣の上積みがオフの最重要テーマ。国内投手に加え、徐若熙ら外国人先発の補強も進めている。
  • モイネロの国内FA取得により、2026年から日本人枠+外国人4人同時起用が可能となり、外国人投手の同時起用がより柔軟に。
  • デュプランティエは「健康ならエース級」のハイシーリングな先発であり、故障リスクを許容できる戦力層を持つホークスとは非常に相性が良い。

現時点ではあくまで“決定的”と報じられている段階ですが、
もし正式契約となれば、「モイネロ+デュプランティエ+徐若熙+国内組」という、
NPBでも屈指のローテーションが完成する可能性があります。

福岡移転後初のリーグ3連覇、そして日本一奪回を目指すホークスにとって、
デュプランティエが“最後の1ピース”となるのか――今後の正式発表と、来季以降の投球に注目していきたいところです。


参考文献・出典

  • NPB公式「Duplantier, Jon(Hanshin Tigers) 個人年度別成績」
  • BASEBALL KING「阪神・デュプランティエが帰国『完璧な1年でした』」
  • 日刊スポーツ「【阪神】デュプランティエ流出危機 メジャー複数球団が調査 球団は全力慰留へ」ほか関連報道
  • スポニチアネックス「阪神の来季助っ人はドリス以外総入れ替えの可能性も デュプランティエが保留選手名簿記載なし」ほか阪神関連記事
  • パ・リーグ.com/スポーツ報知「【ソフトバンク】前阪神デュプランティエの獲得決定的に…福岡移転後初のリーグ3連覇へ他球団との争奪戦制す」
  • パ・リーグ.com「【ソフトバンク】デュプランティエ&ケイをダブル獲りで先発陣を強化へ」ほか補強関連記事
  • スポニチアネックス「ソフトバンク・モイネロ、国内FA権取得 これで“日本人枠”となり、モイネロに加えて外国人4人の起用が可能に」
  • NPB公式「2025年度 支配下選手登録(福岡ソフトバンクホークス)」
  • Wikipedia英語版「Jon Duplantier」および関連MLB報道(CBSSports等)
  • 野球喫茶「〖ケガだらけ?ジョン・デュプランティエ投手〗2025阪神新助っ人の成績と投球傾向」

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