現役選手の逮捕報道が出ると、ファンがまず気にするのは2つ。
「その選手は出られるのか」、そして「チームは失速するのか」だ。
ただ、結論から言うと“逮捕=必ず失速”ではない。過去を見ても、むしろ平然と強いまま走り切ったチームすらある。
本記事では野球面に絞り、チームの勝敗がどう揺れるかを「失速しやすい条件」に分解して整理する。
(※個別案件の是非や真偽の判断ではなく、戦力・運用・数字の話に限定します)
結論:失速するかは「選手の格」より“役割と代替”で決まる
- ① 失うのが「高レバレッジの投手」か「中軸の長打」だと勝敗に直撃しやすい
- ② 代替(穴埋め)ができる層があるチームは、むしろ平然と勝つ
- ③ タイミングが悪い(トレード期限前後/夏場の連戦/故障者続出)と一気に崩れやすい
「逮捕年のチームが崩れる」メカニズムを4つに分解
① 純粋な戦力損失(打席・イニングが“平均以下”に置き換わる)
逮捕のニュースは大きいが、勝敗を決めるのはまずこれ。
失うのが主力なら、出場機会は控え・二軍・助っ人で埋めることになる。つまり、その枠が「平均以下」に落ちるリスクがある。
② 役割の再設計コスト(打順・守備・ブルペン序列がズレる)
中軸が抜ければ打順を組み替え、守護神級が抜ければ勝ちパを組み替える。
この“再設計”がハマらないと、点の取り方・守り方の型が崩れやすい。
③ メディア・スポンサー対応での疲労(現場の集中が削られる)
球団は説明責任を負い、監督・編成・広報は対応に追われる。
これはスタッツに出ないが、チームが不調な時ほど効いてくる要素でもある。
④ “他のトラブル”と同時発生したときの連鎖(怪我+不祥事=一気に薄くなる)
実際に失速するチームは、単発ではなく複数のマイナス要因が重なるケースが多い。
逮捕自体というより「編成の薄さが露呈する」形だ。
失速する条件チェックリスト(データで見るならここ)
| チェック項目 | 危険度 | 理由(勝敗への効き方) |
|---|---|---|
| 抜けたのが「クローザー/勝ちパ」「ローテの柱」 | 高 | 1試合の勝敗に直結する“高レバレッジ”の穴は埋まりにくい |
| 抜けたのが「中軸の長打(本塁打・長打率)」 | 高 | 得点期待値が落ち、僅差ゲームを拾えなくなる |
| 控えの層が厚い(守備固め・代打・二軍の即戦力) | 低 | 穴埋めが“平均点”を確保でき、崩れにくい |
| 同時に主力の故障離脱が多い | 高 | 代替の代替まで必要になり、戦力が一気に薄くなる |
| 事件発生が夏場の連戦期・順位争い直中 | 中〜高 | 再設計の試行錯誤がしづらく、取りこぼしが増える |
過去の“チーム成績”は実際どうだった?(野球面だけで見る3例)
ここからは「不祥事・捜査・出場停止」などで主力が実質離脱した年に、チームがどうだったかを“結果”で確認する。
※単年の勝敗は要因が多く、因果関係を断定しない前提で読みたい。
例1:強いチームは崩れない(MLB:2021 ブレーブス)
- 主力野手がトラブルで長期的に出場が難しい状況に
- それでもチームはレギュラーシーズンを勝ち切り、最終的にワールドシリーズ制覇
このケースが示すのは、「事件があっても勝つチームは勝つ」という現実。
要因としては、代替戦力の確保(補強・若手)と、終盤戦の投手運用を崩さなかった点が大きい。
例2:最上位の戦力があれば“穴”を飲み込める(MLB:2021 ドジャース)
- 投手の離脱で先発・投手運用の再設計を迫られる
- それでもチームはレギュラーシーズン106勝を記録し、ポストシーズンも深く進出
ドジャースは層の厚さで“穴”を吸収した典型。
勝ち続けるチームは、単にスターが多いだけでなく、「欠けても回る構造」を持っている。
例3:主砲級の長期不在は「得点の形」を壊しやすい(NPB:2023 西武)
- 主力野手が捜査・処分に関連して実質長期離脱
- チームは最終的に65勝77敗1分で下位に沈む
このタイプは「誰かが代わりに打てばOK」になりにくい。
主砲の穴は、打順全体の迫力(四球・失投・相手配球)まで変えてしまい、得点期待値が落ちたまま戻らないことがある。
じゃあNPBで“逮捕年”はどう考える?ポイントは「出場可否」より“何が消えるか”
NPBの場合、法的手続きとは別に、球団判断で自粛・活動停止・出場停止になるケースがある。
このとき重要なのは「その選手が何を担っていたか」。
- 中軸の長打:代替が難しく、得点期待値が落ちやすい
- 勝ちパ投手:1点差の取りこぼしが増えやすい
- 守備走塁の便利屋(代走・守備固め):僅差終盤の勝ち筋が細くなる
つまり“失速”を議論するなら、ニュースの大きさより、消えた役割の大きさで見るのが一番正確だ。
まとめ:逮捕があった年に失速するかは「代替戦力」と「役割の大きさ」次第
- 失速は必然ではない。層が厚いチームは穴を吸収して勝つ例がある
- 一方で、中軸の長打や高レバレッジ投手の穴は勝敗に直撃しやすい
- 重要なのは「その選手が担っていた機能」を分解し、誰がどれだけ埋められるか
- 事件単体ではなく、故障者続出など他要因と重なると失速が起きやすい
参考文献(本文中に引用タグなし方針)
- MLB公式:Marcell Ozunaの逮捕・処分に関する記事
- Baseball-Reference:2021 Atlanta Braves(チーム戦績・ポストシーズン結果)
- MLB公式:2021 ドジャース(NLCS敗退と106勝の言及)
- NPB公式:2023年パ・リーグ チーム勝敗表(西武 65勝77敗1分)
- 西武ライオンズ公式:山川穂高に関する球団発表(2023)
- NPB公式:2017年セ・リーグ チーム勝敗表(比較用)
- 報道:2017年 山口俊の書類送検・自粛経緯(デイリースポーツ等)



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