千葉ロッテマリーンズの投手陣を語るとき、今や外せない存在になっているのが種市篤暉です。2026年WBCでも韓国戦、オーストラリア戦で連続無失点と結果を残し、スポーツナビの大会成績では2試合2イニングで5奪三振、防御率0.00。特に韓国戦では、侍ジャパン公式が「三者連続空振り三振で流れを呼び込んだ」と伝える圧巻のリリーフを見せました。[1][2]
もともと種市は、ドラフト1位のスター街道を歩んできた投手ではありません。NPB公式プロフィールによると、2016年ドラフトでの指名は6位。そこから剛速球とフォークを武器に頭角を現し、右肘のトミー・ジョン手術という大きな試練を乗り越え、いまやロッテのエース格まで上り詰めました。[3][4]
この記事では、そんな種市のドラフト指名から現在までの軌跡を、節目ごとの成績とともに振り返ります。
種市篤暉はどんな投手なのか
種市は1998年9月7日生まれ、青森・八戸工大一高出身の右腕です。NPB公式では183cm・88kg、右投右打、ロッテ公式でも同じプロフィールで紹介されています。武器は力強いストレートと落差の大きいフォークで、侍ジャパン公式も韓国戦の投球を「力強いストレートと落差の大きいフォーク」と表現しています。[3][5]
しかも2026年2月の侍ジャパン強化試合では、侍ジャパン公式が自己最速156キロを計測したと報じました。もともと出力の高い投手でしたが、近年は単に速いだけではなく、出力と変化球の質を両立する“剛腕エース”の形に近づいています。[6]
始まりはドラフト6位。決してエリート街道ではなかった
種市がロッテに入ったのは、2016年ドラフトです。NPB公式プロフィールにある通り、指名順位は6位。高校からプロ入りした右腕ですが、いわゆるドラフト上位の目玉選手ではありませんでした。[3]
それでもロッテは、その素材の大きさに期待して育成を進めます。高卒でプロに入る投手は時間がかかることも多いですが、種市は徐々に一軍の戦力となり、2018年にはプロ初勝利を含む7試合登板、4勝4敗、防御率6.10を記録しました。数字だけ見れば粗さはありましたが、高卒2年目で先発として勝ち星を積み上げたこと自体が、球団の期待の大きさを物語っています。[7]
ブレークのきっかけは2019年。ローテ投手として一気に台頭
種市が本格的に「ロッテの未来の柱」と言われ始めたのは2019年です。この年は26試合、116回2/3、8勝2敗、防御率3.24、135奪三振。奪三振率は10.41で、先発投手としてかなり高い数字を残しました。[7]
単に勝っただけではなく、三振を取れる本格派として一気に存在感を高めたのが大きかったポイントです。翌2020年には登板数こそ7試合にとどまりましたが、3勝2敗、防御率3.47。さらに同年7月には、パ・リーグインサイトでも触れられているように、プロ初完封も記録していました。[7][8]
この頃の種市は、まさに「これからロッテのエースになっていく投手」と見られていました。球威、三振力、若さ。どれを取っても、ロマンの大きい右腕だったのです。
2020年の大きな試練――トミー・ジョン手術
しかし、その上昇気流の途中で大きな壁にぶつかります。ロッテ公式は2020年9月14日、種市が横浜市内の病院で右肘内側側副靭帯再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けたと発表しました。術後4か月後からスローイング開始予定とされ、長いリハビリ生活に入ります。[4]
パ・リーグインサイトやロッテ関連コラムでも、この時期は「将来を嘱望された剛腕が長いリハビリへ入った時期」として振り返られています。せっかくローテ投手として形になってきたタイミングだっただけに、本人にとってもチームにとっても非常に大きな痛手でした。[8][9]
長いリハビリを乗り越え、2023年に本格復活
手術後、種市はすぐには一軍に戻れませんでした。2022年に一軍で投げたのはわずか1試合3イニングのみ。完全復活には時間が必要でした。[7]
それでも2023年、ついにローテーションへ戻ってきます。NPB公式の年度別成績では、2023年は23試合、136回2/3、10勝7敗、防御率3.42、157奪三振。スポーツナビのロッテ公式コラムでは、4月9日の楽天戦で988日ぶり白星を挙げたことが「復活の象徴」として紹介されています。[7][10]
しかもこのシーズンは、ただ戻っただけではありません。奪三振率は10.34で、故障前にも負けない三振力を見せました。パ・リーグインサイトも2023年春の記事で、種市について「圧倒的な奪三振率を誇る剛腕」と表現しています。トミー・ジョン手術明けでここまで三振を取れるなら、本物の復活と言ってよかったでしょう。[8][7]
2024年に初の規定投球回、2025年にはキャリアハイへ
2024年は、種市にとって「エースへの階段を一段上がった年」でした。成績は23試合、147回1/3、7勝8敗、防御率3.05、148奪三振。NPB公式の年度別成績からも、安定して先発ローテを守り、ついに初の規定投球回到達を果たしたことがわかります。[7]
さらに2025年は、キャリアハイ級のシーズンになります。NPB公式では24試合、160回2/3、9勝8敗、防御率2.63、161奪三振。パ・リーグインサイトも2025年シーズン総括で、種市について「2年連続で規定投球回に到達」「24試合160.2回で防御率2.63、161奪三振とキャリアハイ」と紹介しました。[7][11]
9月、10月には月間MVPも初受賞。ロッテ公式は、この受賞時の成績として5試合4勝、防御率0.95、38イニング、48奪三振級の圧巻の内容を伝えています。シーズンを通した安定感に加え、終盤戦には「本当に勝てるエース」の空気までまとい始めました。[12]
WBCで見せた“短いイニングでも支配できる力”
そして2026年WBCです。これまで種市はロッテでは先発型として投げてきましたが、侍ジャパンでは短いイニングでも圧倒的でした。スポーツナビの大会成績では、3月8日時点で2試合2イニング、被安打0、与四球0、5奪三振、防御率0.00。たった6人の打者に対して5三振という、ほぼ完璧に近い数字です。[1]
韓国戦では、侍ジャパン公式が「種市の三者連続空振り三振が流れを呼び込んだ」と報じました。ストレートをゾーンに強く投げ込み、フォークを低めに集めるというシンプルな形で、国際大会でも通用することを証明したわけです。[2]
さらに大会前の強化試合でも、侍ジャパン公式は種市が自己最速156キロを計測したと伝えています。長いイニングを作れる先発力に加え、1イニングを全力でねじ伏せる球威まである。これが今の種市の強みです。[6]
結局、種市はどこまで来たのか
ここまでのキャリアを見れば、種市はもう単なる「将来有望な剛腕」ではありません。ドラフト6位から出発し、2019年に台頭し、2020年に大きな故障を経験しながら、2023年に復活、2024年に規定投球回、2025年にキャリアハイ、そして2026年にはWBCでも結果を残した。ロッテ公式の選手名鑑にある経歴はシンプルですが、その中身はかなり濃いです。[5][7]
しかも通算成績も、NPB公式では2025年終了時点で111試合、649回1/3、防御率3.30、37勝31敗、672奪三振。高卒ドラフト6位で入り、トミー・ジョン手術を経てここまで積み上げた投手としては、十分に立派な数字です。[7]
結論:種市篤暉は“ドラフト6位の素材型”から、“ロッテの剛腕エース”へ進化した
種市篤暉の魅力は、ただ球が速いことではありません。ドラフト6位から這い上がり、一度は大きな故障で遠回りしながら、そこからもう一段レベルの高い投手になって戻ってきたところにあります。[3][4]
2025年は防御率2.63、160回2/3、161奪三振でロッテの先発陣を支え、2026年WBCでも2イニング5奪三振無失点とインパクト十分。いまの種市は、「期待の剛腕」ではなく、ロッテのエース格であり、侍ジャパンでも流れを変えられる本格派右腕です。[1][7][11]
今季もロッテが上位進出を狙うなら、やはり鍵を握るのは種市でしょう。ドラフト下位から始まったこの右腕の物語は、もう「伸びしろ」の話ではなく、どこまでエースとして完成するかの段階に入っています。
参考・引用
- スポーツナビ WBC 種市篤暉 個人成績
- 侍ジャパン公式「種市篤暉の三者連続三振が流れを呼び込み韓国との打撃戦を制す」
- NPB公式 種市篤暉 個人年度別成績
- 千葉ロッテマリーンズ公式「種市投手の手術について」
- 千葉ロッテマリーンズ公式 種市篤暉 選手名鑑2026
- 侍ジャパン公式「佐藤輝明の豪快弾や種市篤暉の圧巻投球などで中日に競り勝つ」
- スポーツナビ 種市篤暉 年度別成績
- パ・リーグインサイト「種市篤暉がついに完全復活へ。圧倒的な奪三振率を誇る剛腕」
- スポーツナビ「ロッテ 種市 復活の988日ぶり白星。苦しいリハビリの日々を支えてくれたのはファンの想い」
- スポーツナビ「ロッテ 種市 復活の988日ぶり白星」
- パ・リーグインサイト「種市篤暉・横山陸人はキャリアハイも…」
- 千葉ロッテマリーンズ公式「種市投手が2025年9、10月度『大樹生命月間MVP賞』受賞」



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