「結局、根尾は投手なのか野手なのか」。この問いが毎年のように繰り返されるのは、根尾昂が“二刀流のロマン”と“現実の一軍枠”の間で揺れてきたからです。
ただ、2026年の現実解として最も筋が良いのは、「投手(リリーフ寄り)で一軍のピースになる」ルートです。
1. いまの根尾の現在地:2025年は「下では投げたが、一軍の出番が少ない」
スポーツナビの選手紹介によると、根尾は2025年にリリーフに専念し、二軍で42試合に登板して防御率2.68を記録する一方、一軍登板は4試合にとどまりました。[1]
2025年一軍成績(4試合・防御率7.94など)もまとめられており、「まずは一軍に定着する形」を作らないと立場が厳しくなる、という論調が強まっています。[2]
2. 2026春の“方向性”は何を示している?:直球で押す=短いイニング想定に寄る
2026年キャンプでは、根尾がシート打撃で「全61球直球勝負」を試し、「とにかく真っすぐで押せるように」とコメントしたことが報じられました。[3]
これは「変化球でかわす」よりも、短いイニングで出力を出して抑える(=リリーフ適性)を探っている動きとして読みやすいです(もちろん先発でも直球は重要ですが、キャンプ序盤で“直球一本”を強調するのは中継ぎ調整でよく見られるアプローチ)。
3. 根尾が「二刀流の看板」を掲げにくい理由:セ・リーグの環境(DH)
セ・リーグは2027年シーズンからDH制(指名打者制)を採用することを正式決定しています。[4]
裏返すと、2026年は基本的に“投手が打席に立つ最後のシーズン”という位置づけで、運用面はこれまで通り厳しい。DHがないと、二刀流常用は「代打・交代の判断」「故障リスク」「ベンチ運用」の壁が一気に高くなります。
だからこそ根尾は、まず投手として「毎週計算できる役割」を取って一軍枠を確保するのが近道になります。
4. 他の“二刀流/二刀流風”と比べると、根尾はどこが違う?
(A)大谷翔平:二刀流が「チーム設計の中心」だった例
NPB公式の年度別成績を見ると、大谷は2013〜2017年に投手として登板を重ねながら(例:2014年24登板、2015年22登板など)、二刀流運用が成立していたことが分かります。[5]
ただしこれは「育成と起用が球団の最重要プロジェクト」だった特例に近く、根尾が同じ枠組みを2026年の中日で再現するのは現実的ハードルが高い、というのが正直なところです。
(B)矢澤宏太:一度“野手専念”で戦力化を優先した例
日本ハムの矢澤は、スポーツナビで「3年目は外野手に専念」「86試合に出場し打率.247」と紹介されています。[6]
ここが重要で、二刀流の夢を追う前に「まず一軍の居場所を作る」ことを優先した結果、存在感が出た。 根尾が同じ発想を取るなら、野手ではなく投手(リリーフ)で居場所を作るのが最も実装しやすいです。
(C)柴田獅子:二刀流は“伸び方が遅くなる/悩みも出る”例
日本ハムの柴田獅子は二刀流2年目として注目される一方、報道では「本気で投げても145ぐらいしか出なくて」と悩みを明かした記事も出ています。[7]
二刀流は「投げる・打つ」を同時に伸ばす分、調整も難しく、結果として“どちらも中途半端”に見えやすいリスクがあります。 根尾が今から二刀流を前面に出すと、同じ落とし穴にはまりやすい。
(D)上原健太:二刀流を試したが、基本は「投手のキャリア」の例
日本ハム上原健太は二刀流挑戦が話題になり、パ・リーグ公式サイトでも「昨秋から二刀流に挑戦」「2番・投手で出場が濃厚」といった文脈で紹介されています。[8]
ただ、上原の主戦場は当然「投手」であり、二刀流は“付加価値”の色合いが強い。 根尾も現実的にはこの系統(=投手軸で勝つ)に近づくのが自然です。
(E)桑田真澄:打てる投手は昔からいたが、「二刀流常用」とは別物
桑田真澄は「打撃のいい投手」として知られ、記事では打者として通算打率.216、7本塁打、79打点といった成績が紹介されています。[9]
ただし、これは「投手が打席に立つ時代」の“打てる投手”であり、現代の二刀流(起用枠・調整を別立てで設計する)とは性質が違います。根尾が目指すなら「桑田型=投手で価値を出しつつ、打撃は保険」程度が現実的です。
5. じゃあ根尾はどこにフィットする?:結論は「中継ぎで週に2〜3回投げられる戦力」
2025年の二軍登板数(42試合)を見ると、根尾は少なくとも“短いイニングを反復する”運用に耐えられる形を経験しています。[1]
2026年に現実的な最適解を並べると、優先順位はこうなります。
- ① 1イニングのリリーフ専念:出力と制球を両立し、まず「ベンチが使いやすい投手」になる
- ② ロング気味(1〜2回)も担える“便利屋”:接戦ビハインド〜同点の中継ぎで稼働率を上げる
- ③(余裕が出たら)野手能力は“保険”で使う:二刀流を看板にせず、あくまで緊急時の選択肢
ポイントは、「二刀流を証明する」より「一軍に居場所を作る」こと。矢澤が“専念”で戦力化を優先したのと同じ発想です。[6]
6. まとめ:根尾の勝ち筋は“投手で定着”。二刀流は「夢」より「保険」へ
- 根尾は2025年に二軍42登板(防御率2.68)も、一軍は4試合にとどまった。まずは一軍枠の確保が最優先。[1]
- 2026キャンプで「全61球直球勝負」など、直球で押す方向を強調。リリーフ適性探りに見える。[3]
- セ・リーグは2027年からDH導入。2026年の二刀流常用は運用的に難しい。[4]
- 大谷は特例級、矢澤は“専念で戦力化”、柴田は二刀流の難しさを体現、上原は投手軸、桑田は打てる投手(別カテゴリ)。比較すると根尾は「投手軸」が最も筋が良い。[5][6][7][8][9]
“ミレニアム世代が戦力化していく”流れの中で、根尾が生き残る鍵は、ロマンよりも「毎週出番が来る役割」を取れるかどうか。
2026年は、中継ぎで稼働して「使われ続ける」——これが一番現実的なフィット先だと思います。
参考・引用元
- スポーツナビ:根尾昂 選手紹介(2025年:二軍42登板、防御率2.68/一軍4試合など)
- ドラ要素@のもとけ:根尾昂 2025年シーズン成績まとめ(一軍4試合、防御率7.94など)
- ドラ要素@のもとけ(中日スポーツ引用):根尾昂 シート打撃で全61球直球勝負、「真っすぐで押せるように」
- NPB.jp:セ・リーグ 2027年シーズンからDH制採用決定(2025/8/4)
- NPB.jp:大谷翔平 個人年度別成績(2013〜2017年の投手成績など)
- スポーツナビ:矢澤宏太(「外野手に専念」「86試合」「打率.247」など)
- 日刊スポーツ:日本ハム柴田獅子(二刀流2年目、球速に関する悩みのコメント)
- パ・リーグ.com:上原健太(二刀流挑戦、「2番・投手」出場の見込み等)
- BASEBALL KING:桑田真澄の打撃成績(通算打率.216、7本塁打など)



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