※本文は「傾向として語られがちな話」を、実際の試合データ(公式記録/当時の回顧記事)に当てて確認していくメモです。
野球を見ていると、「派手に打たれた翌日は逆に締まる」みたいな話をよく聞きます。
本当にそうなのか?――今回は、歴史的な大量得点の翌日と、東北楽天の近年・創設期の大量失点を材料に、どんな“反動”が起きているのかを整理してみます。 目次
- 仮説:なぜ「翌日は落ち着く」と感じるのか
- 事例①:最多得点32点の翌日、0-2で敗れる(1940年)
- 事例②:29-1の翌日、10-6(2003年)
- 楽天の大量失点①:創設期「初勝利の翌日に0-26」(2005年)
- 楽天の大量失点②:0-21の翌日も0-12(2024年)
- 結論:落ち着く日もある、続く日もある。見るポイントはここ
- 引用・出典
仮説:なぜ「大量失点(大量得点)の翌日は落ち着く」と感じるのか
よく言われる理由(体感)
- 「揺り戻し(平均への回帰)」:大差ゲーム自体がレアなので、翌日も同じことが起きる確率は体感的に低く感じる
- 投手運用の反動:大敗では勝ちパを温存できる/大勝では勝ちパを休ませやすい → 翌日は「いつもの継投」に戻りやすい
- 心理的リセット:大敗の後は「もう同じ負け方はしたくない」で守備や四球管理が締まる(と感じやすい)
ただしこれは“理屈としてそれっぽい”だけで、実際の試合は先発投手・相性・移動・球場で簡単にひっくり返ります。なので、まずは事例を見ます。
事例①:最多得点32点の翌日、0-2で敗れる(1940年)
「大当たりの翌日は不思議と点が入らない」みたいな話を、かなりストレートに書いている資料があります。 1試合最多得点(阪急が32点)を紹介した項目で、その翌日に0-2で敗れたと明記されています。
「1リーグ時代の1940年4月6日に阪急が南海から奪った32点が最多…
大当たりの翌日は不思議と点を取れないもので、この時もセネタースに2安打に抑えられ0-2で敗れた。」
出典:imidas「チーム1試合最多得点」
この“翌日しょんぼり”は、まさに今回のテーマど真ん中。
ただし、ここで大事なのは「必ずそうなる」ではなく、実際にそういうことが起きた記録がある、という点です。
事例②:29-1の翌日、10-6(2003年)
近代の“派手すぎるスコア”でよく語られるのが、2003年のオリックス 1-29 ダイエー。 その翌日、同カードがオリックス 10-6 ダイエーになっていて、スコアの振れ幅が一気に戻っています。
同カードの2日間(2003年8月)
| 日付 | スコア | メモ |
|---|---|---|
| 2003/8/1 | オリックス 1-29 ダイエー | “29-1”として語り継がれる大差 |
| 2003/8/2 | オリックス 10-6 ダイエー | 翌日は逆にオリックス側が勝つ |
出典:2003年8月の試合日程・結果(一覧)より該当日のスコアを参照
「大敗の翌日は意外と落ち着く(どころか勝つ)」の代表例としては分かりやすいパターン。
ただし、これも“そういう日もある”であって、次の楽天事例みたいに真逆も起きます。
楽天の大量失点①:創設期「初勝利の翌日に0-26」(2005年)
楽天の歴史で外せない大量失点が、創設1年目の3月。球団の回顧記事で、 初戦勝利(3-1)の翌日に0-26で大敗した流れが明確に書かれています。
「2005年3月26日の千葉ロッテ戦は…3対1で見事に勝利。しかし、翌日の同カードでは0対26で歴史的大敗を喫し…」
出典:パ・リーグ.com(楽天の創設期回顧)
ここで言いたいこと
“反動で落ち着く”どころか、むしろ翌日に振れが拡大することも普通にある。
なので「翌日は落ち着く」は法則ではなく、結果を見てから後付けしやすい物語でもあります。
楽天の大量失点②:0-21の翌日も0-12(2024年)
近年で衝撃度が高かったのが、2024年5月のソフトバンク戦。 NPB公式の試合結果で、5/21に21-0、さらに5/22も12-0が確認できます。
2024/5/21:ソフトバンク 21-0 楽天
(NPB公式記録)
2024/5/22:ソフトバンク 12-0 楽天
(NPB公式記録)
つまり「大敗の翌日は落ち着く」は、この2連戦では当てはまりません。
翌日も大差になった要因は、先発の出来・序盤の失点・相手打線の勢いなど複合ですが、少なくともデータとしては “続くときは続く”。
結論:落ち着く日もある、続く日もある。見るポイントはここ
「翌日落ち着く」を検証するときのチェック項目
- ブルペンの消耗:前日に勝ちパを温存できたか(or逆に焼け野原か)
- 翌日の先発格差:単純に先発の力量差で“落ち着く/荒れる”は決まる
- 移動・球場:連戦の場所が変わると別物になりやすい
- 「落ち着く」の定義:総得点が減るのか/失点が減るのか/接戦になるのか
今回の事例だけでも、「翌日0-2(落ち着く)」もあれば、「翌日も0封で大敗(続く)」もある。
なので記事ネタとしては、法則を断言するより、“どの条件のときに落ち着きやすいか”を観察するのが面白いところです。
引用・出典
- imidas「チーム1試合最多得点」(1940年32点と翌日0-2に言及): imidas.jp
- パ・リーグ.com(楽天創設期:初戦勝利→翌日0-26の流れ): pacificleague.com
- NPB公式:2024年5月21日 福岡ソフトバンクvs東北楽天(21-0): npb.jp
- NPB公式:2024年5月22日 福岡ソフトバンクvs東北楽天(12-0): npb.jp
- 2003年8月の試合日程・結果(8/1 1-29、8/2 10-6 の並びを参照): my-favorite-giants.net



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