フォレスト・ホイットリーがNPB移籍&巨人入りへ! 元トッププロスペクトのスタッツと経歴を整理

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MLBで一時は「全野球界トップクラスの投手プロスペクト」とまで言われた右腕、フォレスト・ホイットリー(Forrest Whitley)が、いよいよNPBに挑戦します。
11月18日(米国時間)、タンパベイ・レイズはホイットリーを「日本でのプレー機会を得るためにリリースした」と公式発表。
その直後、各種報道やSNSでは読売ジャイアンツと契約合意との情報が相次ぎ、英語版Wikipediaでも所属チームが「Yomiuri Giants」と更新されています。

ここでは、そんなホイットリーのプロフィール、これまでの経歴、MLB&マイナーの成績、投球スタイルを整理しながら、NPBでどんな投手になり得るのかを考えてみます。


フォレスト・ホイットリーの基本プロフィール

  • フルネーム:Charles Forrest Whitley
  • 生年月日:1997年9月15日(28歳)
  • 出身:アメリカ合衆国 テキサス州サンアントニオ
  • 身長/体重:201cm・約94kg(6フィート7インチ・208ポンド)
  • 投打:右投右打
  • ポジション:投手
  • ドラフト:2016年MLBドラフト1巡目(全体17位)でヒューストン・アストロズから指名
  • 前所属:ヒューストン・アストロズ、タンパベイ・レイズ
  • 新天地:読売ジャイアンツ(NPB・セ・リーグ)※2025年11月19日契約と報道

2メートルを超える長身から投げ下ろすパワーピッチャータイプで、全盛期には最速160km/h近い速球と多彩な変化球を武器に「アストロズの未来のエース候補」と目されていた投手です。


高校〜プロ入り:全米注目の“怪物右腕”へ

高校時代から全米クラスの逸材

ホイットリーは地元のアラモハイツ高校でエースとして活躍し、U-18アメリカ代表にも選出。18Uワールドカップ優勝メンバーで、ノーヒットノーランを達成するなど全米レベルの実力を見せていました。

2016年ドラフトでは当初フロリダ州立大への進学が有力と言われていましたが、アストロズから1巡目指名と約314万ドルの契約金提示を受けてプロ入りを選択します。

プロ1〜2年目:快速出世でトッププロスペクトに

プロ1年目の2016年はルーキーリーグとアパラチアンリーグで計4.82ERAと数字こそ平凡でしたが、翌2017年にはシングルA〜ダブルAまで一気に3段階昇格。
3つの階級を通算して5勝4敗、防御率2.83、143奪三振と、圧倒的なK率を記録します。

この時期の評価として、Baseball Americaは「5球種がすべてプラス以上になり得る」「先発の中でも最もエレクトリックな投球をする」と絶賛し、MLB全体の有望株ランキングでもトップ10に入る逸材と評しました。


挫折の連続:出場停止と度重なる故障

2018年:50試合出場停止

順風満帆に見えたキャリアは、2018年2月に大きくつまずきます。MLBの薬物防止・治療プログラムへの違反により、50試合の出場停止処分を受けたのです。
同年はダブルAで8先発・防御率3.76とまずまずでしたが、登板数は大きく制限されました。

2021年:トミー・ジョン手術

その後も肩や背中の違和感で離脱を繰り返し、2021年3月には右肘内側側副靱帯再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けてシーズン全休。
復帰後の2022年もマイナーで防御率6.53と苦しみ、「かつてのトッププロスペクトが消えかけている」とまで言われました。

2023〜2025年:故障を抱えながらもメジャー初昇格

2023年はトリプルAで5.70ERAとやや持ち直したものの、ラット(背中)を痛め3〜4か月の離脱。
それでもアストロズはポテンシャルを買い続け、2024年4月ついにメジャーデビュー。リリーフで3試合、3回1/3を無失点・5奪三振と好スタートを切ります。

しかし2025年春には左膝の骨挫傷で再び故障者リスト入りし、復帰後も制球難から防御率12.27と炎上。6月にDFAとなり、現金トレードでレイズに移籍します。

レイズでもメジャーでの数字は改善されず、5試合で防御率15.43と乱調。ただしその後降格した3Aダーハムでは13試合(12先発)で防御率2.60と復活の兆しを見せており、「健康なら今でも球は一級品」という評価を取り戻しつつありました。


これまでのスタッツまとめ

MLB通算(2024〜2025)

MLBでの通算成績はまだごく小さいサンプルですが、現時点では以下の通りです。

  • 試合:13
  • 勝敗:0勝0敗
  • 投球回:15回1/3
  • 防御率:10.57
  • 奪三振:17

成績だけ見ると完全に「失敗した元有望株」ですが、投球回が少ないこと、故障明けで調整しながらの登板だったことを考える必要があります。

マイナー通算&直近2年の成績

一方で、マイナー通算では以下のような数字が残っています。

  • 登板:117試合
  • 通算成績:17勝20敗
  • 防御率:4.75
  • 投球回:306回2/3
  • 奪三振:421、与四球:160

直近2年、特に先発・中継ぎの両方で起用された2024〜2025年のマイナー成績はかなり優秀です。

  • 2024年(アストロズ3Aなど):4勝1敗、防御率2.12(33試合)
  • 2025年(アストロズ&レイズ傘下3A):8勝4敗、防御率2.80(19試合・うち12先発)

特に2025年後半のダーハムでの好投が、今回のNPB移籍へと繋がった“最後のアピール”だったと見てよさそうです。


投球スタイル:6球種を操る2メートル超のパワーアーム

球速・球種構成

スカウティングレポートやStatcastのデータによると、ホイットリーは6球種前後を投げ分けるパワーピッチャーです。

  • フォーシーム:平均97マイル前後(約156km/h)、最速160km/h近くに達することも
  • シンカー:中〜高90マイル台で、沈み+腕側へのラン
  • カッター:高90マイル台で内外角に投げ分け
  • カーブ:80マイル台前半。縦の落差が大きいパワーカーブ
  • スラーブ(スライダー系):80マイル台後半〜90マイル弱
  • チェンジアップ:使用頻度は低いが、左打者対策として投げる程度

Statcastのピッチミックスによれば、2025年MLBでは
フォーシーム31%・カッター27%・シンカー20%・カーブ13%・スラーブ8%・チェンジアップ1%と、速球系3種類とカーブを中心に組み立てていました。

長所:球威と“見え方”

2メートル超の身長と長い腕から生まれる「リリースの近さ」は大きな武器で、
同じ150km/hでも打者からは体感速度がさらに速く感じられるタイプと評されています
シンカーとカッターで左右に動かしつつ、たまに高めフォーシームとパワーカーブを見せる“立体的な投球”がハマると手が付けられません。

弱点:制球と健康状態

キャリアを通じた最大の課題はコントロールと健康です。

  • マイナー通算で160四球と、与四球率はやや高め
  • 2018年の出場停止以降、肘の手術・ラットの故障・膝の骨挫傷とケガが絶えない

「球自体はメジャーでもトップクラスだが、ゾーンに集められなかったり、そもそも健康でいられない」というのがここ数年の評価でした。


巨人&NPBでの起用イメージ

先発か?パワー系リリーフか?

メジャーでは先発→リリーフと役割を揺れ動かしてきたホイットリーですが、2025年3Aでは先発が中心。それでもレイズは「中継ぎでならメジャーに残れるかも」と見ていたと報じられています。

巨人としては、

  • キャンプでは先発候補の一人としてスタミナ・耐久性をチェック
  • 制球や健康に不安があれば、7〜8回を任せるセットアッパー型として運用

という二段構えで考えている可能性が高そうです。
スピードガン表示が出やすい東京ドームで、150km/h後半のフォーシームと曲がりの大きいカーブが決まれば、インパクトは相当なものになるはずです。

NPB的に見た“成功ライン”

MLBでの成績や過去の故障歴を踏まえると、いきなり
「年間15勝・防御率2点台前半」のような期待はリスクが高いでしょう。

現実的な成功ラインとしては、

  • 先発なら:防御率3点台前半・規定投球回に近いイニング(130〜150回)
  • リリーフなら:60試合前後登板・防御率2点台・K/9 9以上

あたりを目指せれば、「リスクはあったが当たり助っ人」と評価されると思われます。


まとめ:超ハイリスク・ハイリターンな“元怪物プロスペクト”

フォレスト・ホイットリーは、

  • 2016年ドラフト1巡目、MLB全体トップ10に入るほど評価された元アストロズのエース候補
  • 出場停止と度重なる故障でキャリアが大きく遠回りし、メジャーでは13試合・防御率10.57と結果を残せず
  • 一方で、直近2年の3Aでは防御率2点台と復活気配を見せている28歳のパワーアーム

という、「数字だけでは測れない巨大なアップサイドを秘めた投手」です。

日本にやって来た理由はシンプルで、
MLBで伸び悩んだキャリアをリセットし、「先発としてもう一度自分を証明したい」から。巨人にとっては、成功すればタイトル争いに直結するレベルの素材ですが、健康面のリスクも非常に大きい補強と言えます。

かつて“怪物プロスペクト”と呼ばれた長身右腕が、東京ドームのマウンドでどんなボールを投げ込むのか。
NPBファンとしては、「とんでもない大化け」か「儚いロマン枠」か――その行方をじっくり見守りたいところです。

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