ソフトバンク有原、まさかの日本ハム復帰。最多勝エースの衝撃移籍で、2026年はパ・リーグ勢力図がどう変わる?

移籍

2025年オフ、パ・リーグの覇権争いに直結しそうなビッグニュースが飛び込みました。 福岡ソフトバンクホークスのエース格として2年連続最多勝を獲得した有原航平投手が、古巣の北海道日本ハムファイターズへの復帰で入団合意。 同一リーグの絶対王者(2025年リーグ優勝&日本一)から、2位チームへの移籍という構図で、来季の勢力図を左右する移籍と言っていいでしょう。

ここでは、有原の経歴とソフトバンク時代のスタッツ、日本ハムの現状ローテとのフィット感を整理しつつ、 「この移籍で、日本ハムとソフトバンクの実力差はどこまで縮まるのか」を数字ベースで考えていきます。


有原航平のプロフィールとこれまでのキャリア

  • 名前:有原 航平(ありはら・こうへい)
  • 生年月日:1992年8月11日(33歳)
  • 出身:広島県広島市
  • 身長/体重:190cm/100kg
  • 投打:右投右打
  • 経歴:広陵高 → 早稲田大 → 日本ハム(2015〜2020/ドラフト1位)→ レンジャーズ〜3A → ソフトバンク(2023〜2025)→ 日本ハム(2025オフ入団合意)

プロ入りは2014年ドラフト1位で日本ハム。2019年には15勝で最多勝を獲得し、そのオフにポスティングでレンジャーズへ。 MLBではケガや適応もあって苦戦しましたが、2023年にソフトバンクでNPB復帰。 そして2025年12月28日、ソフトバンクから自由契約となったのち、日本ハムと入団合意が球団から公式発表されています。契約は4年・総額20億円台と報じられる大型契約で、球団としても「エース級」として迎える姿勢がはっきりしています。


ソフトバンク時代の成績整理──3年で38勝、2年連続最多勝

2023〜2025:安定して「ローテの柱」だった3年間

ソフトバンクでの直近3年の一軍成績(レギュラーシーズン)はざっくり以下の通りです。

  • 2023年:17試合登板、10勝5敗、防御率2.31
  • 2024年:26試合登板、14勝7敗、防御率2.36(パ・リーグ最多勝)
  • 2025年:26試合登板、14勝9敗、防御率3.03(伊藤大海と並び最多勝)

3年間通算で38勝21敗、防御率2点台〜3点台前半という、完全に「エース級」の数字。 特に2024年・2025年は、2年連続14勝でパ・リーグ最多勝に輝き、モイネロ、大関、上沢とともに“10勝カルテット”を形成。 2025年のソフトバンクは87勝52敗4分・防御率2.39でリーグ連覇、日本シリーズも制覇しており、その先発陣の中核が有原でした。

「10勝カルテット」の中で担っていた役割

ソフトバンクの2025年は、モイネロ(12勝・防御率1.46/最優秀防御率)、有原(14勝)、大関友久(13勝)、上沢直之(10勝)が揃って2桁勝利。 これは球団として20年ぶりの快挙で、「10勝カルテット」が日本一の原動力と評されています。

その中で有原は、イニングを食いながら勝ち星を積み上げる「安定のローテ柱」タイプ。 2025年は175回を投げて121奪三振、四球41と、派手な三振ショーよりもゴロを打たせるスタイルで試合を作る投球が目立ちました。


有原の投球スタイル──「球が速めの技巧派」エース

投球スタイルを一言でまとめると、本人も語っているように「球が速めの技巧派」です。

  • 平均147km/h前後・最速150km/h超のストレート
  • ツーシーム/カットボール/シュートなど140km/h台の動くボール
  • フォーク/チェンジアップ/スライダー/カーブと豊富な変化球
  • 実際の配球では、チェンジアップ・フォーク・ツーシーム・カットボールが全体の8割弱を占めることもある多彩さ

特に2025年のデータでは、チェンジアップとフォークの被打率が2割前後と決め球として非常に優秀で、 右打者にはフォーク、左打者にはチェンジアップ+カットボールという組み立てが典型パターン。 速球で押すというより、「多彩なボールをゾーン四隅に集めて打者を料理するタイプ」で、 年齢を重ねてもスタイルが大きく崩れにくいのが特徴です。


日本ハムの現在地:投手陣はすでにリーグ屈指

2025年のチーム成績

まず、2025年の日本ハムとソフトバンクのチーム成績をざっくり整理しておきます。

項目ソフトバンク日本ハム
順位1位(87勝52敗4分)2位(83勝57敗3分)
勝率.626.593(4.5ゲーム差)
チーム防御率2.392.53
得点551548
本塁打101本129本(リーグ最多)

数字だけ見ると、「投手力はソフトバンクが一枚上、打力は日本ハムがやや上」という構図。 勝敗差はわずか4.5ゲームで、すでに「絶望的な差」ではありません。

2025年の日本ハム投手陣の柱

2025年の日本ハム先発陣は、すでにかなり充実していました。

  • 伊藤大海:27試合、14勝8敗、防御率2.52、最多勝&最多奪三振&沢村賞
  • 北山亘基:22試合、9勝5敗、防御率1.63、143奪三振(149イニング)
  • 達孝太:16試合、8勝2敗、防御率2.09
  • 加藤貴之:20試合、9勝6敗、防御率3.40
  • 山崎福也:20試合、7勝5敗、防御率2点台後半

先発陣だけで23完投・20完封という「令和離れした完投数」を記録しており、 2025年時点でも「先発投手陣の量・質はリーグ屈指」と評価されていました。

打線は「レイエス二冠+長打力強化」で上り調子

打線でも、主砲フランミル・レイエスが打率.277・32本塁打・90打点で本塁打王&打点王の2冠を獲得。 チーム全体としても、2025年は本塁打129本でリーグトップに立つなど、 「打てない日本ハム」というイメージは、もはやかなり過去のものになりつつあります。


そこに有原が戻る意味──「ダブル最多勝」の完成形ローテへ

伊藤大海+有原航平=最多勝コンビ誕生

2025年シーズンのパ・リーグ最多勝は、日本ハムの伊藤大海と、ソフトバンクの有原がともに14勝で並んで受賞しています。 その2人が同じチームの先発ローテに並ぶ形になるのが、2026年の日本ハムです。

ざっくりイメージすると、

  • 伊藤大海:球威と奪三振で押す「エース・オブ・エース」
  • 有原航平:多彩な球種でゲームメイクする「安定したイニングイーター」

という補完関係で、そこに北山・達・加藤・山崎らが続きます。 2025年時点で先発平均防御率はすでにリーグ上位なので、「エース級を1人追加」ではなく、「最多勝クラスを2枚揃えた」というインパクトがあります。

数字ベースで見た「上乗せ分」

もちろん単純ではありませんが、かなりざっくりした机上計算をすると、

  • ソフトバンク:有原14勝 → ここが抜けると、その穴を他投手でどこまで埋められるか
  • 日本ハム: ・2025年は83勝 ・ローテに「14勝クラスの投手」がそのまま1人増えるイメージ ・伊藤・北山・達ら若手〜中堅の成長分も見込める

という構図になります。 もちろん、有原本人が年齢や環境の変化で数字を落とすリスクもありますが、 「2025年と同程度のパフォーマンスを維持できる」と仮定するなら、 日本ハムの勝ち星を+3〜5勝、ソフトバンクを−2〜3勝程度動かすポテンシャルはあってもおかしくありません。

2025年の差が4.5ゲームだったことを考えると、 この移籍1つで「数字上の差をほぼ消しうるレベルのインパクト」と言っていいと思います。


それでもソフトバンクは強い──差が残るポイント

一方で、「有原がいなくなった=ソフトバンク失速」と考えるのはさすがに早計です。 ソフトバンクは2025年時点で、

  • モイネロ:12勝3敗、防御率1.46(最優秀防御率&パ・リーグ最高勝率)
  • 大関友久:13勝5敗、防御率2点台
  • 上沢直之:12勝6敗、防御率2.74
  • 強力リリーフ陣:チーム防御率2.39、被打率.226、K/9約7.9
  • 野手陣:牧原大成が打率.304で首位打者、柳町・近藤・柳田らも高い出塁力

と、先発・救援・打線のバランスが非常に高いレベルで揃っているのが2025年ホークスの姿です。

有原が抜けても、 「モイネロ+大関+上沢」という軸は変わらず、育成出身を含めた新戦力が次々に出てくる土壌も健在。 したがって、「日本ハムが有原1人で一気に逆転優勝」と言い切るのは難しく、 他の部分――特に中継ぎの厚みや打線の得点効率でどこまで詰められるかがポイントになります。


2026年、日本ハムとソフトバンクの差は埋まるのか?

楽観シナリオ:日本ハムが「ほぼ互角」まで追いつくケース

◎ こうなれば、差はほぼ消える、という条件を整理すると、

  • 有原が2025年並みの成績(14勝前後・防御率3点前後)を維持
  • 伊藤が最多勝級のパフォーマンスを大きく落とさない(12〜14勝、防御率2点台)
  • 北山・達・加藤・山崎のうち2人以上が「2桁勝利クラス」まで伸びる
  • レイエス中心の長打力(チーム本塁打3桁)の維持
  • 勝ちパターン中継ぎがもう1〜2枚安定し、接戦を拾えるようになる

このあたりが揃えば、日本ハムの最終勝利数は90勝ラインをうかがえるレベルまで届いても不思議ではありません。 そうなれば、ソフトバンクとの優勝争いは完全な「ガチのマッチレース」になります。

現実的シナリオ:ソフトバンク優位のまま、差は「縮まるが残る」

一方で、より現実寄りに見るなら、

  • 有原:年齢や環境変化で12勝・防御率3点台中盤くらいに落ち着く
  • 伊藤:沢村賞シーズンから若干数字を落としつつもエース級(2点台後半〜3点台前半)
  • 北山・達:どちらかが2桁に届き、もう一方は8〜9勝ライン
  • レイエス&打線:本塁打・得点はやや横ばい〜微減
  • ソフトバンク:有原の穴を若手や新助っ人である程度カバーし、80勝台後半はキープ

という形になる可能性も十分あります。 この場合、ゲーム差は「4.5差 → 1〜3差」くらいに縮まるイメージで、 優勝ライン上で最後まで競る展開が見えてきます。

悲観シナリオ:有原がフィットせず「やや差が残る」ケース

もちろん、

  • 有原がケガやコンディション不良でフル回転できない
  • 伊藤・北山らが「投げ過ぎの反動」で成績を落とす
  • レイエスを含む中軸に不調や離脱が続く

といった要素が重なれば、数字上の上積みはそこまで大きくならない可能性もあります。 ただ、すでに日本ハムの若手先発陣はリーグトップクラスまで伸びているので、 「有原が全く機能しなかったとしてもBクラスへ逆戻り」というほど極端なシナリオは考えにくく、 少なくとも上位争いには残れるだけの土台はできていると言っていいでしょう。


まとめ:ギャップは確実に縮む。あとは「どこまで」詰められるか

  • 有原航平は、2019年日本ハム時代・2024〜25年ソフトバンク時代に3度の最多勝を獲得したリーグ屈指の先発右腕。
  • ソフトバンクでは3年で38勝を挙げ、2025年にはモイネロ・大関・上沢とともに10勝カルテットを形成、日本一の立役者となった。
  • 日本ハムは2025年、83勝57敗3分で2位、チーム防御率2.53・本塁打129本と、すでに投打ともにリーグ上位の数字。
  • 最多勝コンビとなる伊藤大海&有原航平がローテの両輪となり、北山・達ら若手先発が伸びれば、ソフトバンクとの4.5ゲーム差は十分に射程圏内
  • 一方、ソフトバンクもモイネロを筆頭に投打の総合力は依然としてリーグNo.1クラスで、有原1人抜けた程度では簡単に崩れない。

結論としては、「有原の日本ハム復帰で、少なくとも数字上の差は確実に縮む」というのが現時点での見立てです。 あとは、日本ハム側が打線と中継ぎの上積みをどこまで作れるか、 ソフトバンク側が有原の“14勝分の穴”をどこまでリカバーできるかという、 「投手王国vs再建完了目前の新生ファイターズ」という構図で、2026年のパ・リーグはかなり熱い優勝争いになりそうです。


参考文献・出典

  • NPB公式サイト「有原 航平 個人年度別成績」
  • NPB公式サイト「2025年度 パシフィック・リーグ チーム投手成績/チーム勝敗表」
  • 北海道日本ハムファイターズ公式「有原航平投手との契約について」
  • パ・リーグ.com「2年連続で伊藤大海&有原航平が最多勝 2025年パ・リーグ投手タイトル」
  • パ・リーグインサイト「先発陣が計23完投と奮闘。伊藤大海は沢村賞を受賞【北海道日本ハム2025:投手編】」
  • パ・リーグインサイト「日本一の原動力となった“10勝カルテット”と盤石リリーフ陣【福岡ソフトバンク2025:投手編】」
  • パ・リーグインサイト「リーグトップの129本塁打。郡司裕也、レイエスらの活躍で2年連続2位【日本ハム2025:野手編】」
  • フルカウント「有原航平インタビュー前編…『球が速めの技巧派』のピッチャー論」
  • 各種データサイト(Baseball-Data、球速ドットコム など)球種配分・被打率データ

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