2025年オフの合同トライアウト後、戦力外選手の去就が次々と決まる中、 イースタン・リーグに参入しているオイシックス新潟アルビレックスBCが一気に存在感を増しています。
12月に入ってからだけでも、松山竜平・井口和朋・石川直也・宮森智志・渡邉諒と、 NPB経験者を立て続けに補強。とくに今回は、石川直也(投手)・渡邉諒(内野手)・宮森智志(投手)という 「1軍実績十分」の3人が加入したことで、「補強は終わらねぇ」とSNSがざわつくほどです。
ここでは、この3選手について、これまでの経歴とNPBでの成績を中心に整理していきます。
オイシックス新潟とトライアウト補強ラッシュの背景
オイシックス新潟アルビレックスBCは、2025年からイースタン・リーグに正式参入した「NPB二軍リーグの新球団」。:contentReference[oaicite:1]{index=1} 今オフは、12月3日に松山竜平の選手兼打撃コーチ就任を皮切りに、9日に井口和朋、10日に石川直也、 11日に宮森智志、12日に渡邉諒と、わずか10日間で5人のNPB経験者と契約合意しています。
これらの選手の多くが、11月12日にマツダスタジアムで行われた「エイブル トライアウト2025」に参加。 38選手が参加したこのトライアウトには、NPBだけでなく独立リーグや海外球団のスカウトも集まり、 「NPB二軍球団へのステップ」としても注目を集めました。
石川直也:元日本ハム守護神、通算31セーブのリリーフ右腕
プロフィール
- 名前:石川 直也(いしかわ・なおや)
- 生年月日:1996年7月11日(29歳)
- 出身:山形県庄内町
- 身長/体重:192cm/93kg
- 投打:右投右打
- 経歴:山形中央高 → 北海道日本ハムファイターズ → オイシックス新潟
- ドラフト:2014年ドラフト4位(日本ハム)
- NPB通算:202試合登板 6勝7敗 31セーブ 58ホールド 防御率3.67
日本ハムでの実績:2018年にブレイクした守護神候補
石川は日本ハムでリリーフの中心として活躍した右腕です。 とくに2018年は、52試合登板で1勝2敗・19セーブ・18ホールド・防御率2.59とブレイク。 翌2019年も60試合に登板し、セットアッパー〜クローザーとしてフル回転しました。
通算では202試合登板で防御率3.67、セーブ31・ホールド58と、 「勝ちパターンの経験が豊富な救援投手」という実績を残しています。
トミー・ジョン手術と近年の状態
2020年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、翌2021年は実戦登板なし。 2022年に一軍復帰して36試合登板(防御率3.94)、2023年は16試合登板(防御率5.87)と、 復帰後は球威・制球の整え直しに時間を要していた側面があります。
2024〜2025年は一軍登板がなく、今季限りで日本ハムを戦力外に。 しかし依然として190cm超の長身と空振りの取れるボールには魅力があり、 オイシックス新潟は「元守護神クラスの経験値」を評価しての獲得と言えます。
オイシックスでの起用イメージ
NPB通算31セーブの実績から考えると、オイシックスでは
- 終盤のセットアッパー〜クローザー候補
- 若手リリーフ陣の「お手本」となるブルペンリーダー
といった役割が想定されます。 トライアウトでも力のあるボールを見せており、「健康な状態でどこまで戻るか」が注目ポイントです。
渡邉諒:ドラ1内野手、「直球破壊王子」の右の強打者
プロフィール
- 名前:渡邉 諒(わたなべ・りょう)
- 生年月日:1995年4月30日(30歳)
- 出身:茨城県土浦市
- 身長/体重:178cm/86kg
- ポジション:内野手(二塁・三塁・一塁など)
- 経歴:東海大甲府高 → 日本ハム(2014〜2022)→ 阪神(2023〜2025)→ オイシックス新潟
- ドラフト:2013年ドラフト1位(日本ハム)
- NPB通算:595試合 421安打 32本塁打 167打点 打率.252(盗塁10)
日本ハム時代:2019〜20年にレギュラー格へ
渡邉は2013年ドラフト1位で日本ハムに入団した右の強打内野手です。 2019年には132試合に出場し、打率.262・11本塁打・58打点とキャリアハイのシーズン。{index=13} 続く2020年も117試合出場・打率.283・6本塁打・39打点と、 120試合制の短縮シーズンで二塁のレギュラーとして活躍しました。
ストレートへの強さから「直球破壊王子」の異名を持ち、 中軸も打てる右打者として、長く日本ハム打線を支えた存在です。
阪神移籍後〜2025年:出場機会減少から戦力外へ
2022年オフ、日本ハムと阪神の2対2トレードで阪神へ移籍。 阪神1年目の2023年は59試合で打率.177ながら、代打やサブとして日本シリーズでも起用されました。{index=17} 2024年は67試合で打率.260と復調を見せた一方、2025年は一軍22試合・打率.158と苦しみ、オフに戦力外となっています。
阪神からは球団スタッフとしてのポストも打診されましたが、本人は現役続行を希望。 最終的に、オイシックス新潟への入団を選びました。
オイシックスでの期待値
NPB通算595試合の出場経験と、「ピーク時には2年連続で規定打席&打率.260超」を記録した打力から、 オイシックスでは
- クリーンアップ〜5番前後を打つ右の中軸候補
- 二塁・三塁・一塁を守れるマルチ内野手
- 若手に打撃・守備の両面で影響を与える12年目のベテラン
といった役割が期待されます。 イースタン・リーグのレベルを考えると、「NPBクラスの打者」がそのまま中軸に座る形になりそうです。
宮森智志:193cmから最速151キロ、トライアウトで評価を高めた長身リリーフ
プロフィール
- 名前:宮森 智志(みやもり・さとし)
- 生年月日:1998年5月28日(27歳)
- 出身:広島県呉市
- 身長/体重:193cm/93kg
- 投打:右投右打
- 経歴:呉商業高 → 流通経済大 → 高知FD → 楽天(2022〜2025)→ オイシックス新潟
- ドラフト:2021年育成ドラフト1位(楽天)
- NPB通算:69試合登板 2勝3敗1セーブ 防御率5.10(ホールド10)
楽天での通算成績とタイプ
宮森は独立リーグ・高知から育成ドラフトで楽天入りした大型リリーフです。 ルーキーイヤーの2022年は26試合登板で防御率1.54と好成績をマークし、
続く2023年は防御率7.71と苦しみましたが、一軍での登板は継続。
2024年は9試合で防御率1.00、2025年は10試合で防御率10.50と、 良い時と悪い時の波が大きい成績になりましたが、最速151km/hのストレートは常に注目されてきました。
トライアウトでの「151キロ」とオイシックス入り
11月12日の「エイブル トライアウト2025」では、宮森は最速151km/hを計測。 3者凡退に抑える投球で、スタンドとスカウトの目を引きました。トライアウト参加投手の中でも「150キロ超えの一人」として高く評価されています。
その直後となる12月11日、オイシックス新潟が宮森との契約合意を発表。 球団リリースでは、193cmの長身と直球の威力が改めて強調されています。
オイシックスでの役割イメージ
NPBでは通算防御率5.10と数字に波はあるものの、球威だけなら一軍級という評価の投手です。オイシックスでは、
- パワー型の中継ぎ〜セットアッパー候補
- 球速・角度で押す「三振狙い」のリリーフ
といった役割が見込まれます。 石川直也とともに、「経験値のあるリリーフ2枚看板」を形成できるかがポイントになりそうです。
3人がオイシックスにもたらすもの
今回の石川直也・渡邉諒・宮森智志の加入を整理すると、それぞれ
- 石川直也:NPB通算31セーブの元守護神。ブルペンの柱&クローザー候補。
- 渡邉諒:2019〜20年に日本ハムでレギュラーを張った右の強打者。中軸と内野の要を担える存在。
- 宮森智志:193cm&151km/hのパワー右腕。セットアッパー候補かつ将来性も高いリリーフ。
これに、松山竜平(選手兼打撃コーチ)・井口和朋まで加わったことで、 オイシックス新潟は「NPB二軍リーグの中でも即戦力クラスが揃ったチーム」へと一気に色合いを変えつつあります。
トライアウトからわずか1カ月足らずで決まったこの3人の新天地。 「NPB復帰へのステップ」としてのオイシックスという構図も含めて、 2026年以降の動向を追っていきたい補強になりました。
参考文献・出典
- NPB公式サイト「石川 直也 個人年度別成績」
- NPB公式サイト「渡邉 諒 個人年度別成績」
- NPB公式サイト「宮森 智志 個人年度別成績」
- オイシックス新潟アルビレックスBC公式「石川直也選手 契約合意のお知らせ」「宮森智志選手 契約合意のお知らせ」「渡邉 諒選手 契約合意のお知らせ」
- Full-Count「わずか10日間で“5度目”の報せ『終わらねぇ』 続く豪華補強にSNS騒然『まじか!』」
- Baseball Channel「元日本ハムの“守護神右腕”がオイシックスへ入団」「阪神でプレーした“ドラ1強打者”がオイシックスへ」
- スポニチアネックス「【トライアウト】元楽天・宮森智志 最速151キロをマーク!」「楽天戦力外の宮森智志がオイシックスと契約」
- 高校野球ドットコム「トライアウト150キロオーバーは3人!」「40歳・松山竜平がオイシックスへ!」



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